「蟹工船」小林多喜二著を青空文庫で読む。戦前のオホーツク海での蟹工船(蟹をとり、加工し缶詰を作る)を素材にした小説。過酷な労働と理不尽な労務管理のもとでの最底辺の人びとの生活を描く。その臭いや汚れがこれでもかと表現される。利益のため沈没船を無視、働かない・反抗的な者に対するリンチ、当時の露骨な資本主義下での搾取される捨てられる人びと、その中に芽生えた連帯、そして失敗、本文では自分たちの権利獲得までは描かれていない。
前に小樽を訪ねたことがある。坂の多い街を歩き歴史的な建造物や観光化された運河を見たが、小説とはいえこんな側面もあったのを再認識。またドライブで小樽の高台に行ったときの多喜二のモニュメントを見た。
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