「苦海浄土」講談社文庫(石牟礼道子著)を読む。社会運動をする著述家の菅野完の原点だとの話を聞き、読んでいなかったので手に取る。
水俣で起こったことを被害者に寄り添いながらその実態を告発するレポート。豊かな海の貧しい漁民に降り掛かった不条理な災禍、その中で翻弄される人々。隠そうとする企業、一貫した政府の企業よりの態度、それに追従するマスコミ、事実をあきらかにしようとする勇気ある人々。方言が多くやや読みにくい文体だがすごい記録である。水俣病について調べていて印象になった人を上げておく。宇井純:水俣病の研究と社会への広報に取り組んだ研究者、東大で干され万年助手の扱いを受ける。ユージン・スミス:世界に水俣病を発信した写真家、取材の際に会社関係者の暴力を受けそれも原因のひとつで亡くなる。
0 件のコメント:
コメントを投稿