2024年12月31日火曜日

「ハンナ=アーレント」

 その生涯と全体主義に関する興味から、ハンナ・アーレントの解説書を読んだ。「ハンナ=アーレント」太田哲男著(清水書院)である。生涯(前半生)、「全体主義の起源」、その後の所著作(「イスラエルのアイヒマン」など)からなる。ハンナ・アーレントによる全体主義の成立の流れをまとめる。

国民国家の成立 19世紀のヨーロッパにおけるナショナリズムの台頭と密接に関連する。国内では少数民族の排除または同化政策を行う、ヨーロッパにおけるユダヤ人排斥はこの流れに沿うもの。

帝国主義の発展 特定の国家が他の国や地域を支配し、その資源や市場を自国の利益のために利用する政治形態。19世紀から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパの大国(英仏蘭等)がこれにあたる。

全体主義主義の成立 全体主義体制は20世紀にナチス・ドイツのヒトラー政権やソ連のスターリン政権などでドイツは海外の植民地化に遅れたためこの方向に進む。政府が社会全体を完全に支配し、個人の自由や権利を制限する政治体制。強力な中央集権、プロパガンダと情報統制、秘密警察と監視、個人の権利の抑圧、一党独裁などの特徴がある。

この本はないが日本の全体主義を調べると、構成要素をバラバラにするのが全体主義の特徴だがこれは弱いが、日本の文化には個人よりも集団の利益を優先する考え方がありこれは親和性がありヒトラー政権やソ連のスターリン政権との違いがあるようだ。




2024年12月27日金曜日

「太平洋戦争の歴史」

  「太平洋戦争の歴史」黒羽清隆著(講談社学術文庫)を読む。太平洋戦争の学者による通史を読むのは初めて、本来はこの著者による別の本を読もうとしたのだがこの本で良かった。個々の出来事については知っていることも多かったが戦争を連続として全体を俯瞰することができる。アメリカとの開戦時のアメリカ側の考え、4年の戦争のうち勝っていたのはアメリカが本気を出していない半年であったこと、大東亜共栄圏の実態、学童疎開と敗戦後の子供たちの変化、玉砕と集団自決に追い込まれる日本人の姿など再認識させられることが多々あった。


2024年12月17日火曜日

上野公園

  時間を作って都心の公園を歩いているが、今回は上野公園の散策した。ここは徳川家の菩提寺のひとつである寛永寺の敷地だったが、大政奉還のさいこれに反対する彰義隊と薩長連合軍との戦争で焼き払われ、そのあと公園として生まれ変わった場所です。上野駅から初めに西郷隆盛像まで歩く、続いて彰義隊の慰霊碑、清水観音堂、顔のみ残る大仏を見る。次に見学したのは上野東照宮で、左甚五郎の龍の彫り物などあり、見栄えがした。またすぐそばに五重の塔がある。精養軒で昼食をとった後、博物館敷地にある移築された大名屋敷の唐門を見学し、さらに寛永寺に到着。本堂は川越の喜多院からの移築だそうである。本堂の左右にある竹の飾りや将軍の墓の前の唐門をみて、鶯谷駅に至る。


2024年12月11日水曜日

太陽の自転

  職場に新しい赤道儀VIXEN AP-WLマウントが入ったので、テストで太陽面を撮った。3日連続で撮ったので太陽の自転運動がわかるので1枚にまとめた。

 太陽の自転周期は黒点を観察することによって求められる。その値は赤道付近では約25日、極地方では約30日である。緯度によって自転周期が異なるこの運動は「差動回転」と呼ばれる。この差動回転により赤道付近の磁力線が引き伸ばされ、太陽に巻き付く。その一部が表面に浮かび上がって黒点が形成されると考えられている。




2024年12月8日日曜日

Lunar phases

 太陽系天体の様々な動きを写真でまとめていたのですが、一番身近な月の満ち欠けをまとめていなかったのでここ数年撮った写真からそれを作った。

基礎データ

地球と月の距離 平均は38万4400キロメートルであるが、月の軌道の近点では36万3304キロメートル、遠点では40万5495キロメートルで、離心率は0.055である。

月が地球を公転する周期 恒星月は約27.3日である。朔望月は約29.5日である。