2013年11月12日火曜日

背の高い高気圧と低い高気圧

 生徒の質問で自分自身あいまいであったものをまとめる。
 高気圧の分類に「背の高い高気圧」と「背の低い高気圧」とがある。
 「背の高い高気圧」があるところには、とても高いところ(圏界面)からの下降気流があります。また、この高気圧のなかには地球規模の流れと関係しているものもあります。その上空の空気は温度がとても低いため、もともと含むことができる水蒸気の量はごくわずかです。この空気が下降しながら圧縮されると空気はますます乾燥して雲はできにくくなります。具体例は太平洋高気圧で、中心付近は雲が少ない。「背の高い高気圧」がある所は、上空の天気図を見ても気圧の峰や高気圧となっています。
 次に「背の低い高気圧」です。冷たい空気の塊の方が暖かい空気の塊よりも密度が高いので、冷たい空気に覆われるとその地域は周囲よりも密度が高い空気に覆われることとなり、天気図上では高気圧となり、このような高気圧を「背の低い高気圧」といいます。「背の低い高気圧」の場合、上下方向の空気の流れを見ると下降気流がありますが、上空には上昇気流もあります。上下方向に気流が分かれる高さはいつも同じでなく、気象状況により変わります。上空で下降気流と上昇気流に分かれているあたりの空気が湿っていた場合、上昇気流があるところでは、そのため空気が膨張して温度が下がり、相対的に湿度が高まり、やがて雲が発生します。上昇気流があるということは低気圧や気圧の谷があることを意味するので、地上では高気圧であっても上空では気圧の谷あるいは低気圧となっている場合があります。このことから高気圧に覆われていても曇っていたり、高気圧に覆われた地域に雲がある場合は、上空に冷たい空気があることがわかります。しかし、「背の低い高気圧」の下は必ず天気が悪いとは限らない。具体例はシベリア高気圧です。