2013年12月31日火曜日

南紀旅行2

南紀旅行で訪ねた文化施設をまとめる。
伊勢神宮
 日本書記等によると疫病流行を鎮めるため都の行政権の及ぶ最も東の伊勢に天照大御神を祀る神社として建てたようです。内宮(天照大御神を祀る)と外宮(豊受大御神を祀る)とからなる。
 鎌倉~南北朝時代、朝廷の力が衰微したことで、伊勢神宮の外宮内に祀られていた食物・穀物の女神豊受大神のを重視する考え方が広まる(伊勢神道のはじまり)。この流れの延長で18~19世紀に豊受大神を詣でるお伊勢参りがブームとなる。
 明治になり政府により全国神社の頂点の神社として位置付けられたが、第二次世界大戦以後は、宗教法人神社本庁発足により、全国神社の本宗となる。
熊野三山
 熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称。仏教的要素が強い。
 古来修験道の修行の地であった。平安時代後期、阿弥陀信仰が強まり浄土教が盛んになってくる中で、熊野の地は浄土と見なされるようになった。そのため歴代上皇が参詣を行うようになり、熊野街道が整備され次第に周囲に知られるようになった。その後、民衆も熊野に頻繁に参詣するようになり、俗に「蟻の熊野詣で」と呼ばれるほどに盛んになった。江戸後期に紀州藩による神仏分離政策のため衰退し、明治の神仏分離令により衰退が決定的となった。
高野山
 平安時代に弘法大師空海が修行の場として開いた高野山真言宗における聖地である。標高約1000mの高原にあり仏教施設を中心に生活上のすべてがそろう門前町である。また奥ノ院には弘法大師の足下に眠れば極楽往生できるという信仰のため豊臣秀吉をはじめ歴史上の有名人の墓が多い。

2013年12月30日月曜日

南紀旅行

 南紀を訪ねた。その地質についた大ざっぱにまとめると、四万十帯およびそれを不整合で覆う熊野層群に熊野酸性岩類が貫入した地質である。今回、訪ねた場所で岩石が良く見えたのは次の場所である。
 瀞峡・・・熊野川の支流の北山川沿いの渓谷で、地質は四万十帯の一番北にある日高層群が熊野酸性岩類による接触変成を受けた岩石からなる。ここを天井の開くジェット船で1時間ほど遊覧した。
 花の窟神社・・・イザナミノミコトをまつる神社、花崗岩類の約45mの大きな崖(熊野酸性岩類)を神体とする。
 那智の滝・・・熊野酸性岩類の南の末端で那智川にかかる、落差133mの滝、日本3名瀑のひとつ。
 *紀伊半島の四万十帯・・・紀伊半島中部から南部にかけて広く分布し、北から日高川層群、音無川層群、牟婁層群に分けられる。紀伊半島東部は秩父帯が欠落しており、四万十層群が中央構造線を挟んで領家帯と隣接している。
 *熊野酸性岩類・・・熊野酸性岩類は、熊野層群が隆起して陸地になった後、1400万年ほど前に地下からマグマが噴出してできた。花崗斑岩がほとんどであるが流紋岩と流紋岩質凝灰岩も含まれる。

ps 那智黒石
この地域に産出する有名な石材に那智黒石がある。黒色で硬質の粘板岩で、新第三紀中新世の熊野層群から採取される。
昔から硯や碁石に使われてきたのだが、観光によったついでに記念に安い置物でもと求めたのだが、帰るてみているとどうも変で硬質なゴムの様な雰囲気である。ネットで調べると頁岩の粉を樹脂に混ぜ、型に流し込んで作ったものをニュー那智黒といい、販売しているとのこと。こんなものにも、それも日本でまがい物が出ていることに驚いた。
2013-12-30

2013年12月22日日曜日

長瀞巡検

 恒例の地球科学部の冬の巡検で久しぶりに長瀞を訪ねた。前日が冷たい雨で心配したが、寒かったが太陽が出て風がない絶好の冬の野外調査日和であった。
 野上駅で下車し、日本一の甌穴を訪ねる。しばらく探したが見つからず、帰ってネットで調べたところ、危険なので埋め戻されているとのこと。全然教育的・科学的ではない自治体?の対応に愕然とする。周囲は緑色片岩が露出する。
 その後、岩畳(岩石段丘)たずねる。岩石的には黒色片岩が主体。小さなポットホール、旧河川跡、秩父赤壁などを観察。最後に虎岩のところで礫のサンプル採集を行う。上長瀞駅で電車の乗る。

2013年12月17日火曜日

月の探査

中国が月面に探査機を到達させた。この成果は米ソに続いて3番目の国になる。
いままでの月の探査をごく簡単にまとめる。
1609年ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で月を観察。
1959年ソ連・ルナ2号月面に到達(衝突)、ルナ3号月の裏の写真撮影。
1969年米・アポロ11号有人月面到達。
(日本)
1990年「ひてん」が月軌道に到達、3番目の国。
2007年「かぐや」が1年8カ月にわたって周回しながら月面探査。
2014年探査機の月面着陸を予定。

2013年12月13日金曜日

高校理数科の訪問

 理数科の勉強をするために大宮高校に見学・調査に行く。県下でもっとも進学的に成功している学校で理数科がその中核をなすといわれる。
 前評判の通りのすごい学校であることはわかった。入学時の生徒の成績、生徒の特徴、授業内容、進路指導、進路実績等驚くことが多かった。
 ここで得た情報を自分たちの職場にいかに生かしていくかが問題である。すべてをストレートには無理だが、良い点・悪い点を吟味し、なにがしかの還元をしていく必要がある。

2013年11月12日火曜日

背の高い高気圧と低い高気圧

 生徒の質問で自分自身あいまいであったものをまとめる。
 高気圧の分類に「背の高い高気圧」と「背の低い高気圧」とがある。
 「背の高い高気圧」があるところには、とても高いところ(圏界面)からの下降気流があります。また、この高気圧のなかには地球規模の流れと関係しているものもあります。その上空の空気は温度がとても低いため、もともと含むことができる水蒸気の量はごくわずかです。この空気が下降しながら圧縮されると空気はますます乾燥して雲はできにくくなります。具体例は太平洋高気圧で、中心付近は雲が少ない。「背の高い高気圧」がある所は、上空の天気図を見ても気圧の峰や高気圧となっています。
 次に「背の低い高気圧」です。冷たい空気の塊の方が暖かい空気の塊よりも密度が高いので、冷たい空気に覆われるとその地域は周囲よりも密度が高い空気に覆われることとなり、天気図上では高気圧となり、このような高気圧を「背の低い高気圧」といいます。「背の低い高気圧」の場合、上下方向の空気の流れを見ると下降気流がありますが、上空には上昇気流もあります。上下方向に気流が分かれる高さはいつも同じでなく、気象状況により変わります。上空で下降気流と上昇気流に分かれているあたりの空気が湿っていた場合、上昇気流があるところでは、そのため空気が膨張して温度が下がり、相対的に湿度が高まり、やがて雲が発生します。上昇気流があるということは低気圧や気圧の谷があることを意味するので、地上では高気圧であっても上空では気圧の谷あるいは低気圧となっている場合があります。このことから高気圧に覆われていても曇っていたり、高気圧に覆われた地域に雲がある場合は、上空に冷たい空気があることがわかります。しかし、「背の低い高気圧」の下は必ず天気が悪いとは限らない。具体例はシベリア高気圧です。

2013年10月20日日曜日

土石流

 台風26号が10月16日朝、関東地方のすぐ太平洋側を通過した。関東圏に近づく台風で近年にない大きさということで、職場の高校は2時間始業時刻を遅らせた。それでも交通機関の乱れの影響で午前中は来れない生徒がいた。今回の台風では伊豆大島で集中豪雨のため土石流が発生し、19日現在死者27名、行方不明21人の被害が出ている。
 土石流(debris flow)とは、土砂が水(雨水や地下水)と混合して、河川・渓流などを流下する現象のこと。山津波ともいう。日本の法令上は「山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が水と一体となって流下する自然現象」と定義されている。山崩れは山地の急斜面部が崩壊する現象、これがきっかけで土石流が起こる場合もある。地すべりは地表を構成する堆積層が,塊のまま日々の変化を追える程度の速さで斜面下方へすべり動く現象で地下にすべり面が存在する。

2013年10月7日月曜日

工学の面白さ

 県高校科学展西部地区展の関係で東洋大学の望月修氏の講演を聞いた。氏は流体力学や生体工学の専門家で、自身の専門について面白く高校生向けに話をした。
 工学は人のほっするものを創造する分野であること、iphone、透析、断層写真、医療現場は医師が工学機器のなかで仕事をしている。
 水泳選手にいかにメダルを取らせるか、水着の開発のはなし、3種類の抵抗、なぜ新しい新幹線の先端はあの形なのか、水生のカエルはいかに飛び込むのがうまいか。さらにはなしは発展して理想的な水泳選手の体型はどんなものか、また陸上選手の理想的な体型はどんなものかと、聞く人を飽きさせない講演であった。

2013年9月29日日曜日

地球温暖化

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は27日、ストックホルムで総会を開き、地球温暖化の科学的根拠をまとめた作業部会の報告書を承認した。温暖化の原因は人為起源の温室効果ガスである可能性が「極めて高い」(95%以上)と、これまでで最も強い表現で指摘した。
 IPCCが総合的な報告書を公表するのは前回2007年以来6年ぶり5回目。加盟195カ国のチェックを受けて承認されたため、今後の国際的な対策づくりの科学的なよりどころとなる。
 報告書では、世界の平均気温は1880年から2012年までに0.85度上昇、海面水位は1901年から2010年までに19センチ上昇したと認定。大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は1750年以降40%増加し、過去80万年で前例のない高さだとした。
 20世紀後半からの温暖化については「人為影響である可能性が極めて高い」とし、前回の90%を上回る95%以上の確信度で断定した。将来の予測では、1986~2005年と比べた今世紀末の気温上昇幅を0.3~4.8度、海面の上昇は26~82センチとした。(朝日新聞)


2013年9月4日水曜日

メガクウェイク

 NHKで防災の日に合わせて、メガクウェイクという50分、2回シリーズの番組があった。
 1回目は大正関東地震を今村明恒の活動を中心にまとめたもの。今村の業績については初めてちゃんと知る、大正関東地震についてはほとんど理解していた内容であったが興味深い話題もあった。プレート境界が丹沢の下で破断をはじめ東に向かったこと、断層面でのずれの量の違い。大地震での火災は四方からくる、火災旋風での死亡者の増大などである。
 2回目は東南海地震の話題。最近の話題としてスロークウェイクを取り上げていた。小さなアスペリティ―の破断によりゆっくりとしたひずみの開放が行われれるのがスロークウェイクで、これが最終的に大きなアスペリティ―の破断を引き起こし大地震につながる。GPSによる観察からスロークウェイクが起こると地形の戻りが起り、また大地震直前井戸水の推移変化はこれが地下水面に影響を与えているのではとのことで、より詳細にプレート間のずれが解析されているのを感じた。

2013年9月2日月曜日

北高祭

 8月31日と9月1日に北高祭が行われ、地球科学部も例年通り参加した。発表レポートは冬の天体観測、春の天体観測、太陽面観測、夏合宿の星空。狭山丘陵見学、古霞湖を訪ねる、夏合宿概要、山中地溝帯の化石、不二洞、2種類のフズリナ化石、方解石。(以上生徒)所沢の多摩ローム、立川断層騒動顛末、東京軽石層、パンスターズ彗星、土星観望。(以上顧問)そしてお土産が方解石であった。
 内容は盛りだくさんであったがあとひと工夫の余地があるものも多かった。お土産は約700出ているので地球科学部入場者もそのくらいか。なお文化祭カルチャー部門1位を獲得した。

2013年8月24日土曜日

植物が地球環境を作った

 埼大で教員免許更新講習で大西純一氏の「植物が地球環境を作った‐地球環境と生命の共進化」を受ける。地球誕生から現代にいたるまでの生物の進化と地球環境の変化を扱う、特にカンブリアの生物進化の大爆発までがメインであった。さらに人類が直面する環境問題について発展させている。
 大方の話は理解していたが、いわゆる化学系の環境問題とは細胞の専門家の視点の違いが新鮮だった。具体的には全植物が生産する有機物と全人類が消費する比較、植物が何千万年かけて作った石油を約100年ほどで消費尽くそうとしている人類のエネルギー消費の実態などである。

2013年8月22日木曜日

「光合成とはなにか」

 「光合成とはなにか」園池公毅著を読む。
 光合成とはなにかを概説的にまとめた、理系の学部系生向けの教養書といったところ、決して一般向けの普及書ではない。内容は高校生物の教科書を理解していることを前提に、光合成にかかわる様々な事象について触れている。とくに分子生物学的に明らかになった水と二酸化炭素と光とから有機物と酸素ができる過程を詳述している。
 この本を選んだ時、生物進化の過程の中で光合成がいかに成立し、それが環境にどのように影響を与えたかを期待していたが、若干こちらの要求とは違っていた。もうし訳ないがわくわく感のない本である。

2013年8月21日水曜日

学校を巡る状況変化/教育改革の動向

 埼大で教育免許講習の一般講習を2日間受けた。
 6こま受けたのだが、面白く一瞬たりとも眠気をもよおさないものが1つあった。それは山口和孝氏の「学校を巡る状況変化/教育改革の動向」であった。
 何故私たちがここにいるのか?第一次安倍内閣でいかにこの法律が不思議な手続きでつくられたか。この法律の数多くある制度上の問題点。国立大学がいかにこの政策に対して対応したか、また協力せざる得なかったか。民主党政権になってなぜこのシステムはなくならなかったか。この間の教員の対応のおさまつさ。現政権は教員免許状をいかにしようとしているか?このような内容であった。
 現政府は自分たちの思う通り教育者が動くようなシステムにしようとしている。

2013年8月20日火曜日

地球環境問題の科学

 学芸大で教員免許講習の講義をうける。題目は中野幸夫氏による「地球環境問題の科学」である。
 内容は地球表層の環境についての解説、酸性雨、オゾンホール、PM2.5のそれぞれについてまとめる。そしてメインの地球温暖化の問題を基本から解説した。8割は知っている話であったが、京都議定書以降のはなしやIPCCの活動について、また大型コンピュータによるシュミレーションについて単純に暑くならず陸上や現在の寒冷地が暑くなるようすや雨の多いところの雨が増える(また逆のケース)などがわかりやすく語られていた。

2013年8月14日水曜日

山中地溝帯を訪ねる

 夏合宿で山中地溝帯周辺の化石、鉱物採集を行った。1日目に山中地溝帯の北の二子山周辺を訪ねた。股峠での方解石採集はそれなりのサンプルが多数採れた。石灰岩帯の一部に圧力が加わり再結晶化したものであろう。次に東岳の東の林道でフズリナ化石の採集を行った。このポイントが見つかるまではなかなか良いサンプルが得にくかったが簡単に石炭紀のフズリナやウミユリが採集できた。また、そのあと山中地溝帯の天然記念物の漣痕化石を見学した。
 2日目の午前は不二洞を訪ねた。山中地溝帯の南の秩父帯に位置する古生代の石灰岩体にできた鍾乳洞で、関東では一番大きな観光洞である。2次生成物として鍾乳石、石筍、石柱、洞窟サンゴ、カーテン、ストローなどがあり、またそれ以外に蝙蝠やその糞のグアノなどがみられた。午後はコテージの裏手の金毘羅ハイキングコースを歩いた。山を30分ほど登ると溶食をうけた石灰岩体のところに祠が作られていた、不二洞とほぼ同じ層準である。
 3日目は恐竜センターを訪ねた、山中地溝帯と白亜紀の恐竜についてまとめた真面目な博物館であった。午後はセンターの企画運営する化石採集コースに参加した。化石採集地は山中地溝帯の瀬林層が露出し、その泥岩層からは巻貝や2枚貝がとれた。企画そのものは小学生向けの化石採集だけを行う企画で地層の全体像がつかみにくい、その部分がやや貧弱な企画であった感がする。

上野村の星空

 夏合宿でペルセウス座流星群にあわせて上野村を訪ねた。まほーばの森のコテージに泊りすぐそばの高台で観察を行ったのだが1日目は橋のライトアップが10時まであり観測の邪魔になったが、2日目は事情をはなしたところ消してもらった。コテージ、本部棟、街灯の光はまあ我慢しなければいけないくらいの明るさであった。
 次の問題は天気であるが、1日目は晴れたり曇ったりで1時に完全に曇ったので観測を終了、2日目は遠くでのフラッシュの様な稲光の中でかつ晴れたり曇ったりであったが2時前に曇りわずかに雨が当たり始めたので観測を終了した。晴れた時は天の川もきれいに見える満足のできる星空であったがそれが続かなかったのが残念であった。南のみやや視界が遮られるので昨年までの中津川に比べると北極星周辺やみずがめ座などがみられる状況であった。ペルセウス座流星群については初めての生徒は堪能してくれたのではないか。

ps 天体写真の課題
夏合宿で天体写真を次のカメラで撮った
NEX-5N、E18-55mm F3.5-5.6
ISO1600、開放で30秒で星座を赤道儀に乗せて撮ったのだが、光量が足りず露出をバルブににして60秒ほどかけ何とか写真にした。
プリントするとやや光量不足の写真になっている。
もう少し見栄えのする写真にするには露出時間を変える2~5分にするか、レンズを明るいものにするかのいずれかが必要だ。
2013-08-17

2013年8月7日水曜日

最新地震学の初歩

 教員免許状更新の研修で学芸大の里嘉千茂氏による「地震と津波の話」を受ける、内容的には初歩の最新地震学といったところであった。
 里嘉千茂氏は学芸大の地球物理学者の教授である。午前中は初心者もいるとのことでプレートテクトニクスからはじまり、岩石の破壊、P波、S波、マグニチュード、震度、余震、津波、長周期地震動、地震津波災害事例、VLBI、SLR、GNSS、InSAR、地震予知と盛りだくさんの講義がなされた。午後は学芸大の自然科学棟の地下にある観測室の見学を行った。この施設は半分は学生の教育用だそうである。簡単なまとめの後、試験があった。専門に近い私にとっては大したことはなかったが、専門外の人にとっては難しかったのではないか?

2013年8月3日土曜日

利尻島と礼文島

 夏休みにおもに植物を中心に利尻島と礼文島をそれぞれ1日ずつ訪ねてきた。
 利尻島は200万年前に隆起した基盤の上での噴火によって生まれる。大きく5期(Ⅰ~Ⅴ)に分けられる火山活動の噴出物が積み重なってできた「成層火山」であり、約9万年前までには現在のような山が形成されていたと考えられている。 現在は火山活動を停止しているために、山体は標高500m以上では著しく浸食され、それよりも下では緩傾斜の溶岩台地または扇状地形を示します。沓形から島をぐるりと回って観光をした。沓形はⅣ期の溶岩で、7?3.7万年前に流れた玄武岩質溶岩で、丸みを帯びた細かい穴が多数空いているのが特徴で、「パ・ホイホイ溶岩」と同じものです。次に訪れた仙法志岬は最新のⅤ期で赤っぽい溶岩が目立った。また南原湿原、オタトマリ沼、姫沼を見学したがいずれもⅤ期の活動期の側噴火の火山でその際できた凹地に水がたまった湿地または池である。
 礼文島は隆起した大地で、北部と南部は第三系、中央部が白亜系からなる。はじめにレブンウスユキソウを見に白亜系の分布域を歩く、山の稜線はなだらかで樹木がなく草原がつつき森林限界超の様相を呈する(厳密には亜高山帯のようで山火事等で失われたものを再生させようとしているがその厳しい自然のせいで成長速度が非常に遅く思うようにならないようである)。そのあと澄海岬とスコトン岬を訪ねた。いずれも第三系の領域で、澄海岬は貫入岩による柱状節理がみられた。

2013年7月28日日曜日

ミニ標本

 昨年、一般の人への地質案内で荒川で岩石標本作りを行った。このさいポリプロピレンのパーツケース(ビーズケース)を使って標本作りを行ったのだが、これが非常に楽に標本作りができる道具だと分かり以降自身の持っているサンプルの整理を空き時間にコツコツと行ってきた。
 地学の教員をやっているとサンプルがたまり、古い使わないものから捨てることになるのだが、今考えるとかつて集めた貴重なものも転勤の際にけっこう捨ててきてしまった。それもあってここで使えそうなサンプルをミニ標本化したのだが、大きく分けると次の5つの標本群になった。
・埼玉の各地の岩石、化石、鉱物のサンプル・・・中津川、秩父盆地など
・外国の岩石・・・バルト楯状地、中国
・授業実践・・・石器(矢尻)、製鉄(テルミット)など
・テーマ別(寄贈品等含む)・・・砂漠の砂、火山噴出物など
・登山・・・赤石山脈、飛騨山脈など
全部でケースが20強になるが、これで使わないサンプルは転勤の際などに勢いよく捨てられることになった!?

2013年7月13日土曜日

nex-3

 部活の予算で生徒用のカメラを購入。sonyのnex-c3の標準ズームである。ここ3年で毎年1台そろえて3台目になる。この機種を選んだ理由は
1.ミラーレスであること・・・ミラーぶれがあると惑星写真が撮りづらいため
2.モニターが角度を変えられること・・・上に向ける天体望遠鏡につけるのには必須
3.軽いこと・・・天体望遠鏡に負荷を与えないため
である。ただし不満をいうと
1.セルフタイマーが10秒しかないこと・・・シャッターを切る際の振動をキャンセルするために必要、3秒があるとありがたい
2.最新機種はズーム対応レバーやポップアップフラッシュと余計な機能が付いたので古い機種を選択した。

2013年6月17日月曜日

東京軽石層

 5.2万年前に箱根火山で起こった大規模なプリニー式噴火による軽石質の堆積物。堆積物として降下火山灰と軽石流とが識別される。
 降下火山灰は偏西風に乗って東に向かい箱根の東側が最も厚く埼玉では10cm前後のところが多い。神奈川・東京・埼玉の武蔵野ローム層では白色で一番目立つ重要な鍵層である。
 軽石流は降灰直後に複数回起こり箱根火山上空にできた噴煙柱から落下するように降下し低い方向へ流れるように移動し堆積したため箱根周辺の四方八方に分布する。
 東京軽石層を訪ねる

2013年5月19日日曜日

「NHK出版 今日の健康 認知症」

 父の状況を理解する手助けになるかと考えて「NHK出版 今日の健康 認知症」山田正仁監修を読む。
 認知症とはなにか、軽度認知障害、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などの症状と治療法がコンパクトにまとめられている。
 とくに直接的に参考になったのはアルツハイマー病と血管性認知症の仕組みと症状、治療薬のドネペジルやメマリーのことなどであった。

2013年5月18日土曜日

大磯丘陵

 ローム層から鉱物を取り出し観察する実験の試料を取りに大磯丘陵に行ってきた。
 ロームの露頭ゆえに解説書がやや古くなっているせいか、書かれた露頭が確認できないまた貧弱になっていてやや期待外れであった。
 ただし、最大径5cmのパミスが厚く堆積する東京軽石層や海成層の上に多摩ローム?の乗る露頭などが確認できた。また給源火山に近いせいでテフラが粗粒化し埼玉のロームとは印象が全く異なっている。

2013年5月3日金曜日

20cm口径でみる土星

土星の観望・観測のシーズンが始まった。次に20㎝シュミカセで見える土星についてまとめる。
本体・・・上下方向にやや縮まった形で、極半径は赤道半径に対して10%短い。色はやや黄色味を帯びており、薄いが木星の様な縞がある(20㎝口径だと分かりづらい)。
環・・・地球からは次の3つの環が見られるという。それは、外からA環(土星中心から土星直径の1.1倍の距離)、カッシーニの間隙、B環(一番明るい、0.87倍)、C環(0.69倍)である。しかし、外側やや暗くて(A環)内側が明るい(B環)のはわかるがはっきりとは写真に映ってくれない。
衛星・・・約60個とされるが、20㎝で写真に撮れるのは以下の5つであるが外側のイアベトゥスは離れすぎていてわかりずらい。
内大衛星群
 テティス、直径1100km、土星中心から土星直径の2.4倍の距離、公転周期1.9日
 ディオネ、1100㎞、3.1倍、2.7日
外大衛星群
 レア、1500㎞、4.4倍、4.5日
 タイタン、5200㎞、10倍、16日、肉眼で確認できる
 イアベトゥス、1500㎞、30倍、79日

2013年4月21日日曜日

ゾウの歯

 支部総会で「埼玉県立自然の博物館」の北川博道さんの講演「ナウマンゾウ研究の100年にむかって」を聞いた。日本のゾウ研究の発展の軌跡、日本の化石ゾウ(マンモス、アケボノゾウ、ナウマンゾウ)の特徴、埼玉の化石ゾウなどの話で専門の違った人の講演で話も面白く参考になった。ゾウ化石は従来、歯の化石を中心で進められていたのだが、その歯について基本的なことがわかっていなかったのでまとめておく。
 歯は魚類から始まった。魚類から爬虫類までは同形歯性で同じ形の歯を持つ。哺乳類にいたり異形歯性が加わり、その基本な数は前歯3、犬歯1、前臼歯4、後臼歯3の44本(ヒトの場合前歯2、犬歯1、小臼歯2、大臼歯2~3の28~32本)となる。それぞれの種の生活パターンにより歯が進化していて、それらは猫の臼歯の形態の変化や後臼歯の減少、ウシの前顎の前歯と犬歯の喪失、一生伸びつづけるウサギの切歯と臼歯、ネズミの切歯などである。そしてゾウであるが牙(上顎の犬歯)と上下に臼歯が1づつで、その臼歯は乳歯3本と永久歯3本の計6本が順番に「はえては抜ける」を一生のあいだに6回くり返します。

2013年4月16日火曜日

武甲山の北

 地球科学部の地質見学会の下見に、武甲山の北を歩いた。
 横瀬から歩きだし、横瀬川の支流を詰めてフズリナ産地を確認した。続いてハイキングコースを岩井堂まであるいた。途中第三系の地層やかつての武甲山の登山道の碑を見たあと斜面を登り、その後はほぼ尾根上をあるく。ところどころ小ピークはチャートブロックが露出している。
 岩井堂の先まで尾根上を歩く予定だったが、道がわからずそのまま工場敷地内を通って影森駅に向かった。
 ハイキング道は結構凹凸があるので、本番は車道を歩き、橋立鍾乳洞を見学する予定である。

2013年3月31日日曜日

函南原生林

 函南原生林を訪ねた。ここは箱根外輪山の一つ鞍掛山の南西斜面に広がる、標高460~680m約14.0haの原始の森で江戸時代から禁伐林として手厚く保護されて今に至っている。
 富士箱根ランド側入り口から入る。道はえぐられた部分もあり慎重に入口近くまで車を進める。入口から少し下ると周回コースになり元に戻るまで2時間ほどであった。アカガシ、ブナ等の数100年の年齢で根回りが10mを超える巨木も複数みられる。かつて日本一巨大なブナがあったが数年前に倒れたとのことである。下草は丈の高い笹で奥多摩の山のような印象で、八ヶ岳などでみられる苔がびっしりと引きつめられた原生林とは違っていた。多分湿度の違いのせいであろう。ここは駿河湾に出る狩野川の支流の来光川の源流部にあたるが、小さな流れがあり周囲は安山岩のれきがごろごろしていた。散策後、富士箱根ランドの展望レストランで昼食を食べたが視界はあまり良くなかったが富士山の裾野と駿河湾が確認できた。

2013年3月23日土曜日

クラス文集

 昨年と同様、クラス文集をつくった。今年はずいぶん生徒が活躍してくれた。
△△△ 以下自身のコメント △△△
 高校生活の中では一番余裕がある、いろいろ考えることができる1年だったはずですがどうでしたか?全体としては、1年生に比べ、それぞれが目標を持って生活していた印象を持っています。
 私自身は皆が2年になったのだから自分たちでできるはずと文化祭などでは少し離れてみていたつもりです。また、修学旅行の主担当だった関係で、旅行が終わるまではそのことに掛かりきりだったです。皆にとって楽しい旅行であるとともに原子力のことを考えるきっかけになってくれたらと考えています。
 修学旅行2日目に長崎の風頭公園へ汗をかきながら登りました。そこにある坂本竜馬像をみていて彼の「おのおの、その志のままに生きよ。」という言葉が聞こえたような気がしました。
 大切な3年生が始まります。志(目標)を持ち全力で取り組んで悔いのない1年にしてください。

ps クラスの閉め
 個人的には、所沢北での初めての2学年の担任でした。義理の両親が亡くなった年で体育祭には参加できなかった。修学旅行の企画運営で大変だった年だった。
 クラスの生徒のことを考えると、1年では学校適応と高校生としての自分の方向性を見つける2年は自分の可能性を追求する年と初めに話した。そんな意味で多くの生徒は頑張ってくれた。
 先日成績会議があったが、比較的勉強のできる、全体としてうまくいっているクラスかなとよろこんでいます。私が特に何かをやったわけではありませんが
 幕末に萩の私塾で明治時代をつくる人材が次々に生まれました。鎌倉時代の初め6つの新しい仏教が起こり、お互いに刺激し合って発展したとされます。これらは先日の講演会の藤嶋昭の話ですが、競い合う人が相乗効果で成果をつくっていく話しでした。クラスを見ていて皆で刺激し合って良い方向に向かっていたと感じます。
 次の年は皆にとっては大変な時期になる。いい人間関係の中でそれぞれが目標実現に頑張っていってほしい。
2013-03-24

2013年3月17日日曜日

古霞湖跡を訪ねる

 地学ハイキングで立川断層の運動の結果できたと考えられる古霞湖を訪ねる企画に地球科学部員とともに参加した。
 金子駅で降りた後、霞川沿いを歩く。途中地下遊水地などを見た後、立川断層の推定位置へ、地形が開け古霞湖跡が一望される。次に古霞湖の堆積物を見学、高さ1mほどの露頭だが真ん中に木材片や種、さらに縄文土器片が堆積する層があり観察、採集する。
 食事の後、立川断層が通るとされる笹仁田峠をへて加治丘陵の尾根をあるく。尾根沿いでは仏子層の上に芋窪礫層が不整合で乗るのを数か所で見学し、尾根を下り霞川を横切り金子駅に着いた。
 以前自転車で霞川をさかのぼっって地形観察をしたが露頭を見学してこの地域の認識がさらに深まった。

2013年3月13日水曜日

パンスターズ彗星

 12日に職場の屋上からパンスターズ彗星を確認し写真撮影をした。双眼鏡で見えるレベルの明るさで尾が伸びているのが確認できた。
 パンスターズ彗星(C/2011 L4 (PANSTARRS) )は、2011年6月に、パンスターズ1 望遠鏡による観測で発見され彗星です。パンスターズ1 望遠鏡とは小惑星や彗星などの地球接近天体を監視するためのマウイ島に設けられた広視野全天サーベイ用の望遠鏡で、この彗星は2010年5月に観測を開始してから発見された2個目の新天体です。パンスターズ彗星が太陽に最も近づくのは、2013年3月10日(日本時間)、そのときの太陽からの距離は約0.30天文単位(4500万キロメートル)、地球からの距離は約1.11天文単位(1億6600万キロメートル)です。太陽に近づくまでは天球の南半球にいたため日本からは見えませんでしたが近日点以降は北半球に移るため日本で主に夕方の西の空に見えます。パンスターズ彗星の軌道は、惑星の重力の影響により現在は放物線となっており、太陽に近づくのは今回一度きりで、二度と戻ってこない彗星だと考えられています。

ps 地学室前レポート
パンスターズ彗星
 3月12日に所沢北高校屋上からパンスターズ彗星を確認し写真撮影をした。双眼鏡で見えるレベルの明るさで尾が伸びているのが確認できた。その後14日、16日と連続して写真撮影に成功し、その様子は次第に尾の向きが右方向に変化するとともにわずかづづながら明るさが減少するのが観察できた。
 パンスターズ彗星(C/2011 L4 (PANSTARRS) )は、2011年6月に、パンスターズ1 望遠鏡による観測で発見され彗星です。パンスターズ1 望遠鏡とは小惑星や彗星などの地球接近天体を監視するためのマウイ島に設けられた広視野全天サーベイ用の望遠鏡で、この彗星は2010年5月に観測を開始してから発見された2個目の新天体です。パンスターズ彗星が太陽に最も近づくのは、2013年3月10日(日本時間)、そのときの太陽からの距離は約0.30天文単位(4500万km)、地球からの距離は約1.11天文単位(1億6600万km)です。太陽に近づくまでは天球の南半球にいたため日本からは見えませんでしたが近日点以降は北半球に移るため日本で主に夕方の西の空に見えます。パンスターズ彗星の軌道は、惑星の重力の影響により現在は放物線となっており、太陽に近づくのは今回一度きりで、二度と戻ってこない彗星だと考えられています。
データ SONY NEX5N 18-200mm 固定撮影
写真上:3/12,18:35
写真中:3/14,18:44
写真下:3/16,18:42
2013-03-28

2013年3月12日火曜日

鉄の酸化物

-鉄の酸化物についてある方から質問があったのでまとめてみた-
 鉄の酸化物には2価と3価があります。化学式では酸化鉄(Ⅱ)FeOと酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3がそれに当たります。これは私たちの周りでは赤さび、黒さびとして観察されることが多い。
 空気中でつくられる赤さびは酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3が中心で下地の保護作用はなく、腐食はいつまでも進行します。一方黒さびは四酸化三鉄Fe3O4(酸化鉄(Ⅱ、Ⅲ))で高温、酸素不十分の条件で鉄表面に人工的に形成したものは緻密な皮膜となるため、防食法の一つとして使われます。
 鉱物としての酸化鉄には2価、3価、2価と3価の混合したものが知られています。2価のものもありますが珍しい鉱物です。3価のものは赤鉄鉱(ヘマタイト)が有名で、ありふれた鉱物で鉄鉱石として採掘されます。2価と3価の混合したものとして磁鉄鉱(マグネタイト)があります。火成岩中には普通に含まれる造岩鉱物であり、結晶は正八面体をして強い磁性を持ってます。鉄鉱物としては褐鉄鉱(リモナイト)も知られていますがこれは天然のさびで、水を吸着した酸化物です。
 また、鉄がイオンとなり水に溶けたものを見ることがあるかもしれませんが、鉄(Ⅱ)イオンは淡緑色、鉄(Ⅲ)イオンは黄褐色です。ただし他のイオンがあると色も結構変化します。

2013年3月10日日曜日

「日本の津波災害」

 伊藤和明著「日本の津波災害」岩波ジュニア新書を読む。
 日本の津波災害を地域別にまとめ検証し、その概要をまとめる。三陸沿岸、南関東、南海トラフ、日本海沿岸、沖縄八重山列島、山体崩壊による津波、遠地津波の個別の状況を解説。続いて、3.11はどんな地震&津波であったか、大きな揺れのない津波地震の存在、引きから始まる津波と押しから始まる津波、第一波より大きい第二波、地形と津波の関係、南海トラフの三連動地震の可能性などに触れている。
 津波の普及書として良くまとまっている本で、私自身も自分の知識の整理に役に立った。

2013年3月6日水曜日

高校入試

 3月4日に埼玉県の高校入試が行われた。理科の問題についてだが、大きく5問あり、基本問題、地学、生物、化学、物理と区分けされていて例年通りであった。また内容的には地学分野で昨年の金環食と金星の太陽面通過をあつかったのはタイムリーな問題であった。また実験結果から考えさせる問題は化学にあったあが全体としてやや少なく知識を問う問題の割合が多かった。物理は静力学の問題が出されていて、電気がなかった。例年よりやや優しいような印象で平均点は高いのではないか。

PM2.5

 中国の大気汚染問題で最近よく使かわれる。
 PMとは粒子状物質 Particulate Matter のことで具体的にはμmの大きさの固体や液体の微粒子のことをいう。主に燃焼による煤塵、飛散土壌、海塩粒子、工場や建設現場で生じる粉塵等などからなる。PM10、PM2.5などと表現される。
 このサイズの粒子は厳密な粒径による区分ができないため、例えばPM10は、粒子径10μmで50%の捕集効率(ろ過効率)を持つフィルターを通して採集された、粒子径の異なる微粒子のまとまりのことである。
 数十μmの大きな粒子は人の健康に関係しないのでPM10、PM2.5などが大気汚染の指標として用いられる。

2013年2月17日日曜日

隕石2題

 ロシア・ウラル地方で15日朝(モスクワ時間)、小天体とみられる物体が落下し、カザフスタンとの国境に近いチェリャビンスクを中心に400人以上の負傷が伝えられている。ロシア非常事態省広報のElena Smirnykh氏は「1つの天体が地球に接近し、バラバラに壊れたと思われる」とコメントしている。また、次の小惑星とはまったく関係ないと考えられている。
 小惑星2012 DA14が2月16日4時24分ごろ(日本時間)、地表から27700km(地球の直径およそ2個分)の距離まで最接近する。これは、静止衛星の軌道までの距離(地表から約36000km)よりも近いところだ。秒速7.8kmというスピードで地球のそばを南から北方向へかすめていくが、衝突の心配はない。この小惑星は、368日周期の地球に近い軌道を持つ。1年ごとに訪れる接近の中でも今回はとりわけその距離が近く、接近通過後は地球の重力の影響で公転周期が317日に縮まるとみられる。推定サイズは幅45mで、この規模の天体が今回ほど接近するのは40年に1度程度と推測される。1908年には、このサイズの小天体(どうも彗星の可能性が高い)が大気圏に突入し爆発したと考えられる「ツングースカ大爆発」が起こっている。


「理科はおもしろい」藤嶋昭

 ノーベル化学賞の候補にも挙げられる「藤嶋昭」氏の高校生向けの講演聞いた。本校の生徒向けの講演であった。
 空の色の仕組み、雷、素数ゼミ、アインシュタインの話をした後。自身の酸化チタンの話しをする。殺菌作用、くもらないガラス、引用論文数の話。さらに話は発展して、競い合う人が相乗効果で成果をつくっていく話し。最後に理科大や光触媒国際研究センターの宣伝などで締めくくった。
 理系の教員としては話が薄く広くなりやや論点がボケた話であったが、生徒のレベルにあったようで、おおむね感想文は好意的であった。

2013年2月12日火曜日

国際宇宙ステーション

 2月8日に国際宇宙ステーションを観望、写真撮影する。15分前から屋上に待機しテスト撮影をする。機材はNEX-5N+18-55mmで三脚による固定撮影である。18時20分過ぎに頃南西の空に現れ、ゆっくりと東に移動する。最大高度は45度くらい、木星より明るかった。オリオン座、二子座と通過していき、さらに東に向かったところで地球の影に入り見えなくなった。消失は瞬間ではなくじんわりと消えた感じであった。大気による太陽光の散乱のため境界がはっきりと分けられないためであろう。

2013年1月26日土曜日

立川断層

 地質学会の巡検で武蔵砂川における立川断層調査のための巨大トレンチについての現地説明会に参加した。
 地質学会のメールで知って初めてこの手の企画に参加をしたが、30数名の参加者は研究者、大学教員、コンサルタントがほとんどで高校教員は私を含め2名であった。
 武蔵砂川駅に集合し、断層地形(撓曲)を観察しながら、昔の日産工場の跡地の向かった。現地では長さ約250m、深さ約10mのトレンチがつくられていて、上から説明を受けた後、下に降りて立川断層を観察した。礫層を切り、ローム層と礫層の境界をずらした断層を観察した。今まで地形でしか知らなかった立川断層そのものを見たのは非常に面白かった。あとで埼玉の地学の方に詳しくまとめる。

2013年1月19日土曜日

iPhone5

 11月にスマートホンを2年間利用していたドコモのWINDOWSモバイル6.5のSC01BからAUのiPhone5に変更した。この間のモバイル端末の進化が早く、使い方もずいぶん変わったので簡単にまとめておく。
 iPhone5に交換した理由は、最近のスマートホンの進化から新しい機種にしたかった(WINDOWSモバイル6.5は各種ソフト更新の対象になっていない)、ドコモに魅力的な機種がない(モバイル端末としてアンテナがありテレビが見えることはどうもいただけない)、セキュリティーの問題でアンドロイドにやや不安がある、ナンバーポータビリティ―でAUに交換した場合機種変更代がかからないからである。
 iPhone5の使用形態
電子手帳としての利用、Googleカレンダーと連携して予定の管理を行っている。メモアプリでちょっとした予定の管理をする。
日記としての利用、Googleドライブで日記を書いている。
資料閲覧、Googleドライブに資料を置きこれを閲覧している(SC01Bと違って編集が可能)
辞書、検索・・・専用サイト、Google検索。
交通情報・・・乗換案内、渋滞情報、Googleマップ。
天気情報等・・・天気情報、地震情報。
天文関係・・・天文サイト、プラネタリウムアプリ。
カメラ機能・・・メモとして利用。
 基本的にはSC01Bと同じであるが画面が大きくなったため(約3倍)、情報量が異なり、通常のインターネット画面を閲覧することができる。性能は向上したが、毎月の通信費は若干安くなった。また一番不安視していたバッテリーもちの問題は私自身の使用形態からは1日持たないようなことはなく。平均して2日に1回の充電である。

2013年1月17日木曜日

爆弾低気圧

 成人の日、日本の太平洋岸を想定以上に低気圧が発達しながら通過し、首都圏では今シーズン初めての積雪となった。高速道路は軒並み通行止めになり、羽田空港もしばらく航空機の発着ができなかった。埼玉では積雪が約10cmであった。マスコミでは爆弾低気圧との言葉が一部使われた。
 爆弾低気圧とは急速に発達し、熱帯低気圧(台風)並みの暴風雨をもたらす温帯低気圧を指す俗語である。冷たく乾燥した大陸性気団と暖かく湿った海洋性気団が衝突する大陸辺縁部の、特に東岸で、冬季に多くみられる現象。今回は年末から居座る大気上層の寒気と南から台風に伴ってもたらされた下層の暖気との温度差が大きいため発達したようである。日本付近では10月から1月頃の冬の嵐の時期、2月から3月の春一番の時期が最も多くみられる。


2013年1月4日金曜日

冬の奈良を訪ねる

 年末にツアー旅行で奈良の寺社仏閣を見てきた。中学の修学旅行以来の訪問で、きちっと見るのはこれが初めてである。
 見学したのは古いものから古墳時代が「石舞台古墳」。藤原京の時代(飛鳥時代)は「興福寺」」「法隆寺」。平城京の時代(奈良時代)が「平城宮跡」「春日大社」「薬師寺」「唐招提寺」「東大寺」。平安京の(密教の)時代は「吉野・金峯山寺」「長谷寺」「室生寺」を見た。
 大和朝廷が成立し、仏教を治世の根本においた時代の巨大な仏教建築にただ見とれるばかりであった。当時の国家権力の大きさに驚くばかりであった。

ps1 時代区分の補足
先土器時代(旧石器時代) ~約1万年前
 岩宿遺跡、鈴木遺跡、砂川遺跡
縄文時代 約1万年~2000年前(8000年間)
 尖石遺跡、水子貝塚
弥生時代 紀元前3世紀~3世紀(2300年~1700年前)
 登呂遺跡
古墳時代 3世紀~6世紀
 埼玉古墳、石舞台古墳
飛鳥時代 6世紀~710年
 法隆寺、興福寺
奈良時代 710年~794年
 平城京、東大寺(大仏)、唐招提寺
平安時代 794年~1192年
 最澄(天台宗)、空海(真言宗)
2013-01-05

ps2 短歌2題
青丹(あおに)よし 奈良の都は咲く花の 薫(にお)うがごとく いま盛りなり
小野老(おゆ)(万葉集)

東(ひむかし)の 野にかぎろひの立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ 
柿本人麻呂(万葉集)
2013-01-05