2022年12月13日火曜日

亜鉛の少年たち

  「亜鉛の少年たち」アレクシエーヴィッチ著を読む。ソ連のアフガン侵攻に参加した帰還兵やその家族の証言を集めたもの。アフガン侵攻がどんなものであったかを浮き彫りにする。当局がいかにして兵士を募集したか、現地ではなにがあったのか、帰国した後のそれぞれの葛藤。送り出した側の母親、妻の状況。もちろん女性も戦争の現場に参加している。戦争の実態が赤裸々に語られている。また出版後の裁判について、個人より国家を第一とする支配層による著者に対する攻撃などがまとめられている。「戦争は女の顔をしていない」に対し侵略戦争であるアフガン侵攻でありついこの間の出来事なので生々しく、口述した人々の悲惨な状況がひしひしと伝わってくる。