2015年10月26日月曜日

赤外線写真

 SONYのデジタル1眼カメラにR64フィルターでガス星雲を撮ろうと試みたが全く写ってくれなかった。そこでCanonのマニュアル撮影のできるコンデジで近赤外線写真が撮れないかと試した。ネガフィルムの濃い茶色い縁を利用し、2枚重ねて撮ったところ、白い植物が撮影でき何とか撮れることを確認した。今後さらにちゃんとした赤外線透過フィルターを利用し赤外線写真を撮ろうと考えている。
*赤外線写真の特徴
・散乱を受けにくいので、山岳風景写真などがくっきり撮影できる。・・・近赤外線は可視光線に比べて大気を構成する分子による散乱が少ないので、遠方まで霞まずに写る。可視光線の範囲内でも、波長の短い光ほど散乱されやすい。霞んだ遠景が青っぽくみえるのは、このことによる。
・散乱を受けにくいので、空が暗くなる。・・・青空の色は大気分子によって散乱した太陽光の色で、近赤外線は非常に散乱が少ない(次項も参照)。雲ではより長い波長の光も散乱されるので、簡易赤外線写真でも白く見え、青空とのコントラストが強調される。
・広葉樹や草地は明るく(白く)、針葉樹もそれに次いで明るく写る(雪景効果)・・・葉緑素(クロロフィル)は緑色光(550nm付近)をわずかしか、そして近赤外線(700nm~)をほとんど吸収せず
・水面は黒く写る・・・空が暗いためと、赤外線が水によく吸収されるため

2015年10月11日日曜日

沖縄修学旅行②

 修学旅行中を中心に、戦争についての本を2冊ほど読んだので記録をしておく。
「綾瀬はるか「戦争」を聞く」、TBSテレビ「NEWS23」取材班編、岩波ジュニア新書。
 女優の綾瀬はるか(普通のお嬢さんか?)が戦争体験者に話を聞いてまわる設定。広島、長崎、沖縄、ハワイ、東北(戦争と津波の被害)をあつかう。個々の掘り下げは甘いが、今日の若者が70年前の戦争を知る入門書としては優れた本である。
「対馬丸」、大城立裕著、講談社文庫。
 対馬丸記念館で事実を通しで確認したいと購入。対馬丸事件をあつかったノンフィクション。疎開を命じた文部省通達、それを受けての学校の苦悩と対応、乗船と出港、撃沈、漂流、生還者のその後と事実を淡々とまとめている。とくに、生還者の漂流時の証言は生々しく、いかに過酷な状況を生き延びたのかが伝わってくる。沖縄から逃がそうとしたのは正しい判断だったともいえなくもないが、なぜこんな犠牲が生じたのかを考えるとむなしいおもいがする。

2015年10月10日土曜日

沖縄修学旅行

 沖縄修学旅行に2泊3日で行ってきた。今回行った場所で印象的な場所について記録する。
萬華の塔とアンティラ壕・・・萬華の塔は南部の激戦地にたつ、地元の方が誰かれなく遺骨を収集し慰霊のために作った納骨堂と碑である。その後周囲には軍隊関係者が関係者のみを慰霊したり軍隊を賛美する慰霊碑が建てたが、日本軍の判断の誤りによって悲惨な状況に陥れられた沖縄の人々はどう思うのであろうか。
 すぐ背後にはアンティラ壕がある。全長約250Mの長さで、もともとは住民避難壕であったが、5月末軍隊により追い出され砲兵部隊の陣地となった。その後米軍に包囲され6/20に同部隊は全滅した。その後住民と敗残兵がガマに入り軍民雑居の状態になった。そんななか、兵隊や避難民も「赤ちゃんの泣き声で壕が米軍に発見されたら、壕全体の人が犠牲ななるから、家族みんなで壕を出るか、赤ちゃんを殺すかどっちかにしてくれ」と云われたり、母親が子供を殺す事を躊躇している間に、日本兵が子供絞め殺す幼児虐殺もあった。7月末にはアンディラガマは米軍による火焔放射のために、入口付近でたくさんの犠牲者が出ていて、壕入り口天井の石灰岩には今もその痕跡が残る。
対馬丸記念館・・・県庁前から北西へ歩いて20分の所にあり、対馬丸事件に関する資料収集と公開をしている施設ですぐそばには慰霊碑「小桜の塔」がたつ。サイパンが陥落し次のアメリカ軍の標的が沖縄になる可能が高まる中、戦闘の足手まといになる子供を中心に強制的に九州や台湾に疎開させる命令が下された。最初の疎開船が対馬丸ほか2隻で、2隻の護衛艦を伴い、1944年8月21日に長崎に向け出港。翌日の夜潜水艦の魚雷攻撃を受け対馬丸のみ沈没、1788名の乗船者のうち1484名の犠牲者を出す惨事を招いた。問題とされるのは対馬丸が直前の航海で軍人を輸送していたこと(潜水艦は直前の軍事物質を輸送を把握)、および他の4隻は自分達の安全を考え遭難救助を行わないでその場を立ち去ったこと。生存者は数日から10日間、海を漂流し漁船に助けられたり島に流れ着いたりしている。またその後、軍から遭難のことは一切しゃべるなとのかん口令が出されている。

2015年10月5日月曜日

県科学振興展西部地区展

 10月3日(土)から5日(月)にかけ県科学振興展西部地区展が川越の東洋大学で行われた。本校は「関東山地のフズリナ化石の進化」で出品した。内容はここ数年間4か所のフィールドで採集したフズリナ化石を薄片にして鑑定したもので、専門家ではないので属レベルでの鑑定になったが、石炭紀後期からペルム紀中期の生存期間と、2系統の進化系列を確認したものであった。結果は参加賞でもある優良賞であった。出品全体の傾向は、分野別では物理9、化学11、生物16、地学9であった。うち9作品が中央展に選出された。
 閉会セレモニーの後、東洋大の自慢のバイオナノ研究室の見学が行われた。現在の最先端の研究が行われているとのことだが、過半が外国からの研究者ということで研究条件の素晴らしさや、論文のみで評価されるその厳しさの一端を垣間見た。