2018年12月16日日曜日

ウィルタネン彗星

 年末に肉眼彗星が現れている。ウィルタネン彗星といい、公転周期約5.4年の周期彗星で近日点距離が1.06AU、遠日点距離が木星軌道付近にある木星族の彗星である。12月16日に地球に最接近するのでその際に3等級になり、また真夜中でも双眼鏡でみれると予報されている。
 部活で14日に北風がややある中、観望したが見つからなかった。15日に自宅ベランダで天頂のプレアデス、ヒアデス付近の写真をとったところ、もやっとした彗星が確認できた。明るいところでは観望は難しいかもしれない。

2018年12月13日木曜日

天文学者と物理学者と数学者

 県の地学研究大会で国立天文台の準教授の縣秀彦氏の講演があった。様々な話題提供があったが一番面白かった話題をひとつ。
 3人の天文学者と物理学者と数学者がイギリスの田舎を旅をしていた。丘の上に金色の羊を見つけたところ、天文学者はこの地には金色の羊がたくさんいるのだろうといった。物理学者は金色の羊が少なくとも1匹はいるといった。数学者は今見えている羊の半分は金色であることは確かであるといった。
 3者の違いを言い表した言葉であるが、数学者に対し天文学者のスタンスがわかる言葉である。

2018年11月13日火曜日

石灰質ノジュール

 有機物は海底では酸化により分解され、炭酸カルシウムも形成されない。有機物がある程度埋積されると酸素のない環境になる。ここでは硫酸還元による有機物分解が起こる。ここで炭酸カルシウムの形成が促進され、石灰質ノジュールが形成される。さらに、これより深くなると有機物はメタン発酵し、炭酸カルシウムは形成されない。
 ノジュールに包まれた化石は空隙が極端に少ないため、周囲の圧力による変形や酸性間隙水による化学的な続成作用が最小限とどまり化石が保存される確率が格段に高くなる。

2018年10月28日日曜日

ブラックアウト

 少し前の地震だが記録しておく。9月6日3時7分に、北海道胆振地方中東部を震源として発生した地震があった(北海道胆振東部地震と命名される)。規模はMj 6.7、震源の深さは37 km。最大震度は、震度階級で最も高い震度7であった。土砂崩れ等によって41人が死亡したほか札幌市内で液状化が発生し道路が陥没するなどの被害が出たほか、北海道全体で電力のブラックアウトが起こり2日ほど続いた。この地震の発震機構は東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、内陸型の地震である。
 地震発生の際、北海道大学で日本地質学会の総会が開かれていたが、混乱の中本部では少しでも企画ができるよう努力し、その後の対応がちくいちメールで配信されたが、いかんせんブラックアウトにより普段の生活もままならない状況が生じてしまいイベントのほとんどが中止になってしまった。

2018年10月1日月曜日

科学振興展西部地区展

 昨年と同じく東洋大学で行われた科学展に参加した。昨年度出した岩殿丘陵の放散虫化石に新しい産出ポイントを加え、新たにお願いした専門家に再鑑定をお願いしまとめたもので、別途まとめたものを学術論文として投稿する予定である。
 結果は参加賞に当たる優良賞であった。各作品の内訳は物理7、化学9、生物8、地学4でこのなかから7点が中央展に出品が決まった。数年間科学展に出してきたが生徒の活動と教員の関わりとの匙加減が難しい。生徒に任せきると科学にならないしといって関わりすぎると生徒は兵隊さんである。ある程度のかたちにするために優秀な学校でも専門家におんぶにだっこの研究も多い。さらにどうしてもポスターの見栄えの良さで優劣を判断され内容の科学的真理の重みとは違った判断がされがちである。また、ポスターの前の生徒のパホーマンスが影響を与えていないことを信じている。

2018年9月24日月曜日

孤独な老人

 この夏一人で行動する老人(男性)を複数見かけた。気が付いたといったほうが正しいか?
 ツアー旅行に1人参加する老人、周りと積極的に会話するでない。集合時間に遅れてきても何も言わない、割り込みをする。楽しいのだろうか。
 1人で登山する老人、むかし単独行といえば若者だったようであるが。気を使わないですむのだろうが危ない感じがする。
 リタイヤした後、時間を持て余しているのだろう。気の合うものと旅行や登山サークルに参加し楽しむのが基本だと思うが、集団を嫌っているのだろうか。また集団に入れないのではないか?
 こんなことを考えるのは自分の問題だからでもある。お金のためでもあるが、社会参加の必要性がある。人生を有意義にする活動をし続けないと生きている意味がなくなってしまう。

南八ヶ岳

 ワンゲルで南八ヶ岳を歩いたので地質をかんたんにまとめる。。
 八ヶ岳では約200万年前から約1万年前までの長い間に盛衰を繰り返した幾多の火山が複合してみられる。
 ワンゲルでは美濃戸口から入り、行者小屋にテントを張り、阿弥陀岳と赤岳に登った。
 この周辺は古八ヶ岳期に形成された成層火山列の稜線部にほぼ相当すると考えられ解析の進んだ火山山体急斜面になる。また旧火山の火口部を残すのは硫黄岳周辺のみである。岩石としては主に安山岩質の溶岩流と火砕物からなります。また美濃戸口周辺からは火山体が崩壊してつくられた火山麓扇状地からなります。また阿弥陀岳の北に当たる美濃戸中山は最後期の火成活動でつくられた溶岩円頂丘です。

2018年9月22日土曜日

奥尻島

 8月に奥尻島を観光で訪ねたので地質についてまとめる。
 最古の岩石は白亜紀の花崗岩およびこれに変質を受けた変成岩で、これらはかつての大陸の一部で、日本海拡大の際に分離する。現地では北部の球島山で観察する、角閃石の目立つ花崗閃緑岩であった。
 新第三紀の溶岩、岩脈が広く分布している、これは日本海拡大の際の激しい火成活動を受けたためだと考えられる。現地では稲穂岬、宮津弁弁天宮で溶岩、奥尻島シンボルの鍋鶴岩では安山岩岩脈を観察。
 段丘堆積物が広く発達していて、当然海成段丘である。これは奥尻島が一時期水没していてその後の隆起の過程で形成された。
 現在は北米プレートとユーラシアプレートの境界に近く、境界の東側に位置する。海底地形では島の西側が急崖になっていて-3000mまで落ち込んでいく。またここでは、ユーラシアプレートが北米プレートの下に沈み込んでいる。

2018年8月26日日曜日

貞観大噴火

 864年に富士山の北西山麓で発生した割れ目噴火で富士山の記録に残る最大の噴火である。スコリア丘を形成しながら大量の溶岩を噴出し、剗の海の大半を埋没させさせた。その残りが西湖と本栖湖である。なお隣の精進湖はこれの前の噴火で剗の海と分断されていてもともとは3つは1つの湖であった。その証拠に3つも湖の水位の変化が同じであり地下でつながっていることが推定されている。この溶岩流は1100年を経て針葉樹が育ち青木ヶ原樹海となった。
 地球科学部の夏合宿では西湖周辺を訪ねた。具体的には溶岩洞穴である西湖コウモリ穴(溶岩洞窟を研究できる施設として整備されている)と鳴沢氷穴(2重構造の溶岩洞窟からなる、洞内の氷はかつては天然だったが、現在では外でつくったものが運ばれている部分が多い)、鳴沢溶岩樹型(様々のタイプのものができたままの場所で見られる)、青木ヶ原樹海(新鮮な溶岩に比べ若干の風化を受けているものが多い)、ならびに富士山の基盤である三湖台(中新統の堆積岩や火山岩)訪ねた。

2018年7月30日月曜日

暁新世始新世境界温暖極大期

 始新世のイベントを調べていて暁新世始新世境界温暖極大期の存在を知った。Palaeocene Eocene thermal maximum(略してPETMともいう)。微化石の中の炭素同位体比偏位に記録されていることから明らかになる。
 新生代に入り寒冷化していた気温が突如上昇する。数千年ほどの間に、亜熱帯の海面温度が5度から8度上昇し、北極海では20度近くも上昇し、約10万年続いたと考えられている。火山活動の活発化、またメタンハイドレートからの大量の温室効果ガス放出が原因だと考えられている。

2018年7月29日日曜日

始新世/漸新世境界(E/O境界)

 始新世/漸新世境界における、出来事をまとめる。大陸移動の結果、南極大陸が孤立し、南極還流が成立する。またそれにともないベルトコンベーア―循環が成立する。
 このことは南極氷床の成立をもたらし、地球の寒冷化へとつながる。
 次にこれに伴い生物種の変化が起こる。微化石では円石藻の減少、渦鞭毛藻の減少、珪藻類の増加(キートケロス属休眠胞子大爆発イベント)である。またこれに関連して原クジラ亜目の絶滅、ヒゲクジラ亜目の進化発展が起こったと考えられる。
 またこれ以外の出来事として、インド洋-太平洋間に表層水が通過できるような海路(タスマニア海路)が形成される。
 参考:http://www.geocities.jp/restingspace2/MyBusiness/TopMyBusiness.htm

臨海実習

 3回目になる、理数科の臨海実習に参加した。プログラム昨年と同様、1日目が海洋生物観察、ウニの受精・発生の観察、黒川先生の講演、2日目が地質巡検である。しばらく異常な暑さが続き心配されたが2日間は30度以下でやや涼しく過ごしやすかった。ただ、高温の影響でウニの発生が順調に卵割が進まず2分割~32分割などが混在していたりややいつもと違っていたようである。
 地質巡検の時間は干潮の時間に近く、また曇天で条件は良かった。4月に事前学習を行ったこともあって2時間30分のプログラムは順調に行われた。巡検としては完成形につ近づいたと思うが、城ケ島についてはまだ調べることがある。

2018年7月16日月曜日

平成30年7月豪雨

 6月28日から7月8日にかけ、停滞する梅雨前線に台風からの湿った風により活発化し、西日本を中心に記録的な降水量になった。この結果、西日本の複数のヶ所で河川の氾濫、浸水、土砂災害が起こり、200人を超える死者・行方不明者が出ている。
 梅雨の末期に停滞する梅雨前線に関連して、最近は毎年のように人的な被害が出ている。しかし、それが1か所にとどまらず広範囲で複数の場所で同時に出ているのは今までになかったことのような気がしてならない。単純に地球の温暖化に伴う気象災害の大規模化といっていいものなのか判断に迷っている。

2018年7月2日月曜日

ペルム紀の大絶滅

 コズミックフロントNEXT「ペルム紀 地球史上最大の大量絶滅 真犯人を追え!」を見る。
 PT境界で起こった大絶滅は2回の絶滅からなる。前半の絶滅は地球の寒冷化による。ペルム紀前期は地磁気の逆転が非常に少なかった。中期後期になると平均25万年ごとに入れ替わるようになる。これはパンゲアの成立によりその下に海溝から地球に沈み込んだ塊が巨大化し(メガリス)グーテンベルグ面に落ち込み核に影響を与えて起こったと考えられる。この影響はたびたびの磁場の消失、そして宇宙線の増加さらに雨雲の増加、地球の寒冷化となり前半の絶滅を起こした。
 後半の絶滅は温暖化によって起こった。メガリスの沈み込みを原因として、スーパープル―ムが発生、100万年にわたって非常に活発な火山活動がパンゲア全域で起こった。CO2、CH4濃度が上昇し温暖化と乾燥化が進んだ。

2018年7月1日日曜日

ホタル観察

 埼玉の鳩山のNPOによるホタルを見る会に参加する。岩殿丘陵の鳩山町側の渓流でホタルを観察するのもだが、6月30日(土)に夜7時に集まり7時半から8時半まで渓流沿いの道を案内者と歩いた。
 ホタルの明かりは明滅するので遠くの街灯とは区別できゲンジボタルは数秒、ヘイケボタルは0.5秒程度の周期である。写真で撮ったところ黄色い光として写った。ゲンジとヘイケをあわせて20~30個体確認した。ことしはよく出ているそうである。この地域のホタルは他地域から移植されたものでないそうで、例年だとゲンジの季節でこのあとヘイケになるのだが、今年は早いそうだ。またホタル以外の話題として渓流沿いの小さな休耕田では過去アカガエルがうるさかったのだが、ことしはアライグマの影響でいなくなってしまったそうで、その捕獲もしているとのことである。

2018年6月17日日曜日

スロースリップ

 6月初め千葉県東部の地下でスロースリップが起こり、今後の地震活動が懸念されている。
 スロースリップとは通常の地震を伴わない断層活動のことで、ゆっくりと変位するため地震動の継続時間が長く、周期が長めの地震を伴う。海洋プレートの沈み込み帯でよくみられる。
 沈み込み帯ではプレートの境界が上部と下部に分けられる。上部は固着域(アスペリティ)と遷移領域に分けられ、固着域は変位をため込んで一気に崩れる変形をし地震を起こすのに対し、遷移域はスロースリップを起こしながら変位の解消をする。スロースリップが起こるとそれをきっかけに固着域が破断すると考えられる。下部は安定滑り域と呼ばれ地震は起きない。
 さらに地震計にかからないサイレント地震も存在し、GPSによる観測によって発見される。また地震動が小さいにもかかわらず津波を伴う津波地震も知られていて(1896年の明治三陸津波)、これもスロースリップに入れる場合がある。

2018年5月28日月曜日

貝類の進化

貝類とは
 石灰質の貝殻をもつ軟体動物が貝類であるが、現在その仲間には3種類いる。それらは二枚貝の仲間(二枚貝網)、ツノガイの仲間(堀足網)、巻貝の仲間(腹足網)である。二枚貝網は体の左右に対称な殻をつくり、敵が来ると貝柱で殻を閉じる。腹足網は体の腹面全体が足裏になり内臓が殻の内部に入る。
 生物の進化史の中では石灰質の貝殻をもつものは他にもいたがいずれも現在の貝類とは異なる進化を経たもので貝類には所属しない。
貝類の進化
 動物は古生代のはじめに腔腸動物から環形動物、節足動物、軟体動物、脊椎動物が分化をした。この後軟体動物は無板網(カセミミズ)、多板網(ヒサラガイ)、単板網(ネオピリナ)に分化した。さらにオルドビス紀に単板網が二枚貝網、堀足網、腹足網、頭足網に分化した。
進化の過程での似た者たち
 古生代デボン紀には腕足類が栄えた。腕足類は腹側と背側に非対称の殻をつくる。また長い触手をもつなどの特徴がある。現生のシャミセンガイが仲間である。
 アンモナイト(頭足類)が中生代に栄える。体は胴,頭,足の3部からなり、巻いた殻の内部に体を納めている。現生のイカ、タコ、オオムガイが仲間である。
貝類の示準化石
 中生代三畳紀にはエントモノチスが栄える。中生代ジュラ紀~白亜紀にはトリゴニア、イノセラムスが栄える。新生代新第三紀にはビカリアが栄える。新生代第四紀にはトウキョウホタテが栄える。これらはそれぞれの時代の示準化石である。

2018年5月27日日曜日

観音崎調査

 理数科課題研究で観音崎を訪ねる。
 生徒は3人、浦賀駅に集合しバスで鴨居まで、ここから海岸沿いに歩き所々サンプル採集をする。博物館までは火山噴出物の少ない逗子層が露出する、2ポイントでサンプル採集。博物館のそばの展望広場で昼食、愛想のいい黒白猫が出迎えてくれる。午後はトンネルを抜けて池子層を観察し、サンプルを1ヶ所で採集、バーベキューの広場から森に入る。常緑樹の林で途中りすがうなり声をあげ追っかけあうのをみる。砲台跡を見学し、観音埼灯台を見学。ここからもう一ヶ所の砲台跡を見て博物館に下る。観音崎大橋を渡ったところの腰越バス停から浦賀駅までバス。浦賀駅そばの逗子層の露頭を調べ、試料採集しこの日の調査を終える。

2018年5月4日金曜日

重金属

 ユーチューブでヒストリー・チャンネルの「重金属」をみる。重金属の世界を大雑把に教えるのにちょうどよい内容である。
 金属の起源は地球創世期に集まったものと隕石によりもたらされたもの。26Fe以上の金属を重金属。92Uは核の熱源となっている。原爆、原子力発電所で利用される。12世紀までに人類が知っていた金属はAu、Ag、Hg、Sn、Pb、Fe、Cuの7種類。Au、Agは装飾品、液体のHgはAu、Agを溶かすのに利用。Cuは最初に使われた金属、自然銅、精錬、Snとの合金と発展。次がFe、融点が高いがふいごの発明、木炭から石炭、スチールの発明と発展。スチールはFeからO2を使ってCをとりその後必要に応じて一定量のCを加える。これにより大構造物の建設が可能になる。Pbは重く遮蔽性が高く、放射線のカットに利用、有害性が解らなくローマ人などは摂取していた、またガソリンに添加していたりしていた。Znはスチールをコートし腐食を防ぐ働きに使う。Cuは銅線として電気や信号を運ぶ。Niは軽く強いので、ジェット機のタービン翼に欠かせない。

2018年4月30日月曜日

「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」

 「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」新井紀子著(東洋経済新報社)を読む。
 すでにMARCH入学レベルに達した「東ロボくん」プロジェクト。ただこれ以上は難しい。それはささえるAI技術のなかで行われている問題点、AIは計算と確立・統計により問題を解いていて、問題文の中身を理解できないため。今の数学ではこれ以上の発展は無理である。シンギラリティ(技術的特異点)はまだ夢の話である。
 確実に発達するAI技術、チェスや囲碁の成果、ワトソン(IBM)の企業での利用、機械翻訳の世界。今後、私たちの仕事の半数がAIにとってかわられる。この時どうしたらよいか?
 AIにできない人間にしかできない知的仕事には、文章の読解力が最低限必要であるが、全国読解力調査から分かった教科書が読めていない児童・学生がいかに多いか。この力を教育のはじめに付ける必要がある。
 AIの現状、今後の発展と社会の変化、そして今の学生の問題点が数学者らしい実証データを使って淡々と語られている。知的に面白いとともに考えないとならない問題が多く含まれている。

マンガン鉱石

 奥武蔵の大蔵鉱山跡を生徒と歩いた。マンガン鉱石についてまとめる。
 秩父中古生層などから軟マンガン鉱 (MnO2)(注1)、菱マンガン鉱 (MnCO3) などとして産出する。日本では戦前戦中に製鉄用(注2)、乾電池用(注3)として多数の場所で採掘されたが規模が小さいことから、鉱石の輸入自由化の際に価格競争に負けてほぼすべてが閉山した。中古生代の付加体中に産するものが多いようで、私個人は現在海洋底にあるマンガン団塊のようなものを起源としてしているのではないかと考えている。
注1)中学で良く行われる過酸化水素から酸素を分離させる反応がある。
2H2O2 → 2H2O + O2
注2)銑鉄から鋼をつくる際、酸素を除去するためフェロマンガンFeMnなどを使う。
注3)MnO2 + H+ + e- → Mn(O)OH

2018年3月31日土曜日

砂金

 部活動で砂金採集を試みていたが、何とか成功した。数年前荒川で砂金が採れることを知り、中津川での夏合宿で白いバットを持って行って試したがそれらしいものが採れなっかたかった。専用の道具を使わないとだめだと考え、パンニング皿を購入し、同じく夏合宿の中津川で試みた。結果は最後に砂鉄が残るまではいくのだが、そこの混じる金色のものは形から黄鉄鉱のようでうまくいかなかった。そして今回、荒川の玉淀河原で砂金を採っている学生に会い、草の根につく砂泥をパンニング皿にとって砂金を採っていることに出会い、改めてネットで情報を集めてみると、要は重たい金がどこに集まるかを推定して試料をとりパンニング皿で選別することだと分かった。結果は6人で2時間弱の作業で、最大径1mmの粒を含む約10個の成果だった。

2018年3月11日日曜日

葉山と逗子

 三浦半島の葉山層群を見ようと、葉山と逗子を訪ねる。
 新逗子駅から子産石までバスで移動する。葉山層群中のノジュールが子供を生み出す石とのことで祭られている。海岸沿いの葉山層群相当層を見学、後半のものに比べると変形が少なくあたらしい?長者ヶ崎、逗子層に階段状の断層が入るのが遠望される、北側はロープが張ってあり近づけない。葉山の御用邸そばはスコリア質の砂泥互層、この周辺は逗子層が露出している。芝崎海岸周辺は固く変形の激しい地層で一見して古い地層の葉山層であることがわかる。
 昼食に味噌ラーメンを食べた後、鐙摺の不整合を見学、ほぼ垂直の葉山層に北にゆるく傾斜する逗子層が不整合でのる。このあと新逗子駅から帰路に就く。
 帰宅後、放散虫抽出のサンプル処理をしたが全く出てくれない。あらためて論文を読み直すと、石灰質のノジュールからでるとある。石灰質の部位をサンプリングしたつもりだが、もっときちっと探さないとだめなようだ。

2018年3月8日木曜日

学力検査

 3月1日、埼玉県の高校入試が行われた。5教科がそれぞれ50分100点満点の試験である。私は理科を担当したが、基本問題と地学・生物・化学・物理の5問からなり文章題で若干採点の面倒なものもあったが、全体として妥当な問題であった。県では進学校用に3教科の難しい問題をつくっていて、本校もその問題を採用しているが、予想通りだが理社に比べ平均点が低くなっている。採点をしていてふと思うのだが、結構よい平均点なのに学校に入るとあまり内容を理解していない印象がある。テクニックとして問題は解けるが内容の理解に至っていない受験者が多いような感じがする。

2018年3月1日木曜日

生命進化の謎、哺乳類はどこから来たのか

 NHK地球ドラマチックをみる。
 哺乳類とは乳腺、体毛、耳と顎が独立(優れた聴覚)、歯種の存在で特徴づけられる。
三畳紀初期、哺乳類型は虫類として哺乳類の進化の始まる(トリナクソドン)。三畳紀後期、多数の小さな歯が見つかっていることから多数の種がいたことがわかっている。
 近年中国の遼寧省で多数の化石が発掘されその進化の様子がよくわかってきた。以前、食い違う2つの説があった。ひとつは分子時計で、ジュラ紀に有胎盤類の誕生したというもの、もう一つは化石の証拠で白亜紀に有胎盤類の祖先が存在したというもの。現在では化石発見により分子時計のほうが正しいとされる。
 ジュラ紀後期、、有胎盤類最古の化石が発掘され、これは歯種の存在している(ジュラマイアシネンシス)。白亜紀、様々な哺乳類の存在していた、エオマイア(木の上に巣をつくる)、レペノマムス(肉食、小型の恐竜を食べていた)、ボラティコテリウム(飛ぶための皮膜)があった。また同時期、内耳の形成の証拠(リアオコノドン)、多臼歯類から様々な哺乳類か生まれたことがわかっている。

2018年2月26日月曜日

巨大昆虫はなぜ絶滅したのか

 NHKの地球ドラマチックで、「巨大昆虫はなぜ絶滅したのか」を見る。
 石炭紀の酸素濃度の増加によって巨大昆虫が誕生する。代表的なものに、メガネウラ(羽根の広がり最大65cm)、アースロプレウラ(ムカデの親戚、最大3m)がいる。パンゲアの成立時の酸素の低下によって、アースロプレウラの絶滅。昆虫は外骨格で気孔?から体内に空気を直接取り入れ呼吸をする。大型化は捕食の意味では有利だが、体内における空気の通り道の割合が大きくなるので酸素濃度の高いときでないと成立しない。
 次々に捕食者が現れる。滑空する小型は虫類の誕生、翼竜の誕生、鳥の誕生。三畳紀にはメガネウラが絶滅。被子植物の誕生、落葉の水中での分解により、水中の酸素濃度の低下。以上のように複数の要因が重なって巨大昆虫は絶滅、または小型化し姿を消した。

2018年2月11日日曜日

理科教育研究発表会

 2月10日、埼玉大学で行われた理科教育研究発表会に初めて出品参加した。理数科の課題研究での成果のポスター発表で、題目は「城ケ島の放散虫化石年代」である。上につながらない大会と聞いてはいたが出品内容もそこそこのもので参考になるものも多かった。知り合いの地学の教員に聞くと、県の科学展後に発表した作品をその後の成果を盛り込んで発表する場合も多いとのことである。
 校内の課題研究の発表会ではパワーポイントで発表するのが基本だったが、少なくともポスターをつくらないと科学的なまとめにはならないと考えつくらせて、それだけではつまらないので研究発表会に出品した。会場では自分たちの作品の説明をしたのだが、生徒も得るものがあったと考えている。
 埼玉大学では、かつての教え子がアシスタントとして参加をしていて、教員採用試験に受かったとの報告があった。

2018年2月3日土曜日

皆既月食

 1月31日から2月1日にかけ、皆既月食の観測会を行った。経過は8時代後半から左下(東)から月が欠け始め、10時から皆既になり、11時過ぎから下(東)から明るくなり、12時過ぎに満月の戻ったが、最後の20分ほどは薄雲がかってしまった。数年前に比べ皆既の時の月がはっきりと赤いのが印象的であった。写真の記録として月食の継続的な拡大写真とともに、皆既の月とプレセペ星団、また所北ならではの写真が撮りたいと飛翔像を入れた皆既月食を撮った。

2018年1月28日日曜日

草津白根山

 草津白根山が1月23日に水蒸気噴火をし、噴石により近くのスキー場で、1人が死亡し多数のけが人を出した。この火山は群馬県の草津町にあり、北の白根山と南の本白根山などからなる火山で山頂部は多数の火口とスコリア丘があつまっている。白根山頂には湯釜と呼ばれる火口湖があり酸性度が高く白濁した青色をしている。マグマ流出の火山活動は8500年前の安山岩質のものが最後で、その後有史以来水蒸気噴火を頻繁に繰り返していて、気象庁の常時観測火山のひとつである。20年ほど前に旅行で、湯釜を訪ねたことがあるが、近年立ち入りが規制されていると聞いていたが、昨年6月に規制が解除された。今回噴火したのは従来活動的でないとされた本白根山のほうで、その水蒸気噴火はマグマ噴出の噴火と違って予知がなかなか難しい。

2018年1月21日日曜日

モアナと伝説の海

 「モアナと伝説の海」を観る。太平洋の島の村長の娘モアナが、島の危機を救うために半神半人のマウイとともに女神テ・フィティの心を返しに行くディズニーのスペクタル・アドベンチャー。創作だがポリネシアの神話をベースにして作られている。娯楽性のある完成度の高い作品である。
 ポリネシアというと授業の人類史でごく簡単に扱う。新人が世界に拡大していく際に最後に到達した地域である。モンゴロイドにオーストラロイドが混血しているオーストロネシア語を話す人種になる。台湾などから約4500年前にカヌーで南下を開始し、フィリピン、ニューギニアに至り、ここでオーストラロイドと混血しポリネシア人の祖がうまれた。その後東進し約3500前にフィジーに到達、さらにポリネシアの島々には2800~1300年前に到達する。ちなみにその後1100年前にハワイ、800年前にニュージーランドに到達した。

2018年1月16日火曜日

センター地学

 13、14日とセンター試験が行われた。翌日地学の問題をチェックした。
 地学基礎の問題構成は1.地球、2.大気圏、3.地球史である。純粋に宇宙の問題はなかった。寺田寅彦の随筆が出ていた。難しい問題はなかった。
 地学の問題構成は6問で構成され、5と6は選択である。1.地球物理、ジオイドと地球楕円体の関係が出る、2.固体地球、紅柱石等の同質異像の問題が出る、3.大気圏・水圏、長波の速度の式が必要、4.宇宙、5.固体地球、6.宇宙であった。これも勉強をしていれば問題はなっかったのではないか。

2018年1月8日月曜日

新田橋の礫岩層

 2018年の埼玉支部新年例会で秩父盆地の横瀬の新田(あらた)橋の礫岩露頭を訪ねた。この露頭は2年前天然記念物に指定されている。約1,500万年前、この地の東側が隆起し、外秩父山地が形成されると、古秩父湾は閉ざされて終焉を迎えることとなった。その埋め立てで周辺の陸域から供給された角がとがった礫を含む地層が形成されたのがこの礫岩層である。礫岩の礫は先第三系の円礫や角礫、また同時代の地層が削剥された大きな角礫からなる。また周囲の地層には花崗岩礫を複数含む礫岩礫も観察され、これらは今はこの周辺には見られない山中白亜系起源だと考えられている。