2016年4月24日日曜日

小川町を知ろう・身近なところから

支部総会で、小川町立図書館長の新田文子氏の講演を聞いた。氏は小川町史作成の際の責任者を務めた方で、小川町史の地質編を地団研のメンバーとともに作成した方でもある。
 講演の前半は地質関係の話題提供がなされた。当初浅間山地震といわれた西埼玉地震の話題。小京都と呼ばれる川の多い小川町の地形、京都に似た地質の話題。観光洞として入洞できた当時の古寺鍾乳洞、最近注目される板碑の話。浅間山の噴火と小川周辺の被害状況などである。どれも地質が専門の私が聞いても地元の方の知識が付け加えられ興味深く聞かせてもらった。
 後半は細川氏の話題が中心になる。ユネスコの無形文化遺産になった時の夜遅くまで待たされた状況。紙の起源とその伝播の様子。和紙の特徴と洋紙との違い、耐久性のない洋紙と正倉院のに残る和紙の文書。ヨーロッパでの和紙の認識のようす、“wa shi”は世界語。そして最後に小川の細川紙の歴史、慈光寺と和紙作りの発展、江戸時代の和紙の普及と和紙問屋との争い、その中で生まれた細川紙。
 講演に慣れていることもあり、面白くあっという間の1時間半であった。小川という場所が自然と紙をkey wordにわかるものであった。

2016年4月19日火曜日

2016熊本地震

 4月14日に最大震度7(M6.5)、16日に最大震度6強(M7.3)の浅い地震が熊本で起こり、建物の倒壊、地滑りが発生し19日現在50人弱の死者を生じる地震災害が発生した。まだ余震が多発し地震活動が継続している。
 この地域は別府‐島原地溝帯と呼ばれる正断層運動が起こる要素とフィリピン海プレートが九州に衝突するため右ずれの横ずれ断層が起こりやすい要素とが重なる地域で、今回の動いた断層は右ずれ断層で、地溝帯の南縁を画する西の日奈久断層帯(14日の地震)と布田川断層帯の断層(16日の地震)が動いている。さらに大分に伸びる部分でも余震が起こっている。
 この地震の特徴はこれだけ大きな地震で前震が観察された珍しい地震でありこれが建物の倒壊による死者の増加をもたらしてる。
 GPS解析によると、九州は北部、西部、東部、南部のマイクロプレート?に分けられ独自の変位をしていて西部と南部の動きの違う地塊の間で断層運動が生じたと考えられるようである。

2016年4月10日日曜日

新担任からのメッセージ

 桜の散り始めた中、金曜日に入学式が行われた。その関連で、北高新聞の「1年生へ新担任からのメッセージ」に次の文章を投稿した。
 高校入学は今までの人生の中で一番の変化かもしれません。今、眼前には広々とした海があります。可能性を広げる海です。殻を打ち破り、新たな挑戦です。皆と何かを生み出す楽しみを体験しよう。唯一の高校生活、実り多い3年間を目指して。
 新入生に向けた投げかけ以外にもう一つの意味を持たせている。

2016年4月1日金曜日

臨海実習事前調査

 7月の臨海実習の事前準備に私が講師になって関係者全員で城ケ島の地質見学を行った。
 1日目に城ケ島西部の本番のルートを北から南に向かって全員で歩く。ポイント1の確認項目、地層とは、各種岩石、走行傾斜、級化層理。ポイント2の確認項目、スランピング、穿孔貝、大正関東地震の痕跡。ポイント3の確認項目、ピンクタフと鍵層、コンボリュート葉理、火炎構造、向斜構造。長津呂湾を超えてポイント4に向かう。ここでの確認事項はピンクタフ、生痕化石、火山豆石。灯台がポイント5でここでは海岸段丘、ピンクタフ、向斜構造である。
 2日目は残りの城ケ島全体を南部から東部にかけて見て歩く。海食洞とSOタフ、初声層の岩石、斜交葉理、馬の背洞門、城ケ島公園からの展望、最東部の三崎層の逆転層。
 充実した2日間で終了後に参加者に講習の修了書を発行した。