2019年5月26日日曜日

課題研究野外調査

 5月25日に課題研究の調査で生徒4人とともに荒崎を訪ねた。海岸沿いは内陸(30度超)に比べ温度は低く海風もあってまだ歩ける天候であった。バスで荒崎まで行き、岬の海岸を反時計まわりに歩いた。海岸は水着で海遊びをする人が多いなか私たちは調査。三崎層のスコリア質の砂泥互層を観察、泥岩のサンプルを採集し、ローム層との不整合を見学。多数のトビが上空を舞うなか大正関東地震の隆起海食台上で昼食をとる。午後は海食洞見学、試料採集、初声層との不整合を観察し日程を終了した。

2019年5月11日土曜日

歯の進化

 歯とは咀嚼するために口にある最初の器官で外側からエナメル質、象牙質、歯髄からなる。固いため化石として残りやすく重要な示準化石でもある。
 最初に歯を獲得したのは魚類の無顎類で、現在のサメの体表面にみられる微細な盾鱗(エナメル質や象牙質からなる)が起源と考えられている。またこれとは別に顎を獲得し(顎口類)たが当初歯はなかったがその後、歯と顎が組み合わされることになった。
 初期の歯を持つ化石としてコノドントが知られている。カンブリア紀から三畳紀(6億年前から1億8千万年前)の地層から発見される歯状の微化石である。一般に大きさは0.2ミリ~1ミリ程度の大きさで原始的魚類の歯であると考えられている。
 現生の魚類の中でも歯が進化したのはサメの仲間で、その歯は獲物を捕る時に抜け落ち、すぐに次々と生えてくる。歯の後ろに6列から10列もの予備の歯の控えていて、歯が抜け落ちると予備の歯がベルトコンベアー式に前にでて埋めるようになっている(多生歯性)。
 その後陸上に脊椎動物が上陸し両生類となりさらには虫類に進化するが、その特徴は一生の間に何度も歯が生え変わること、そしてすべての歯の形は円錐形で、同じ形の歯が並んでいることで、顎が成長するにしたがい、歯が合わなくなるので新しい歯が必要になるため何度も生え変わる。
 次に現れたのが哺乳類である。その歯の特徴は乳歯と永久歯があって歯が一生の間に二度生える(二生歯性)こと、歯の数が決まっていて、切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯の4種類の形があること、そして歯の根の部分が顎の骨の中に埋まっていること(歯槽がある)である。

2019年5月2日木曜日

掬水

 多摩湖畔の掬水亭にて食事をする。寡聞にして「掬水」の意味を知らず調べてみた。
唐の于良史の詩からとられているようでそれは以下のものである。
  春山多勝事、賞翫夜忘帰
  掬水月在手、弄花香満衣
  興来無遠近、欲去惜芳菲
  南望鳴鐘処、楼台深翠微
 禅宗により深い意味づけがなされて使われているが、単純に読むと春の野山をめでる詩に読める。
 春の山は素晴らしいことが多く帰るのも忘れるほどだ、手に水をすくい月を愛でる、衣につく花の香、花の香りにどこまでも行ける、楼台の音に振り替えれば芽吹きの蒼い中に隠れている。野山を歩きたくなる詩である。