2018年4月30日月曜日

「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」

 「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」新井紀子著(東洋経済新報社)を読む。
 すでにMARCH入学レベルに達した「東ロボくん」プロジェクト。ただこれ以上は難しい。それはささえるAI技術のなかで行われている問題点、AIは計算と確立・統計により問題を解いていて、問題文の中身を理解できないため。今の数学ではこれ以上の発展は無理である。シンギラリティ(技術的特異点)はまだ夢の話である。
 確実に発達するAI技術、チェスや囲碁の成果、ワトソン(IBM)の企業での利用、機械翻訳の世界。今後、私たちの仕事の半数がAIにとってかわられる。この時どうしたらよいか?
 AIにできない人間にしかできない知的仕事には、文章の読解力が最低限必要であるが、全国読解力調査から分かった教科書が読めていない児童・学生がいかに多いか。この力を教育のはじめに付ける必要がある。
 AIの現状、今後の発展と社会の変化、そして今の学生の問題点が数学者らしい実証データを使って淡々と語られている。知的に面白いとともに考えないとならない問題が多く含まれている。

マンガン鉱石

 奥武蔵の大蔵鉱山跡を生徒と歩いた。マンガン鉱石についてまとめる。
 秩父中古生層などから軟マンガン鉱 (MnO2)(注1)、菱マンガン鉱 (MnCO3) などとして産出する。日本では戦前戦中に製鉄用(注2)、乾電池用(注3)として多数の場所で採掘されたが規模が小さいことから、鉱石の輸入自由化の際に価格競争に負けてほぼすべてが閉山した。中古生代の付加体中に産するものが多いようで、私個人は現在海洋底にあるマンガン団塊のようなものを起源としてしているのではないかと考えている。
注1)中学で良く行われる過酸化水素から酸素を分離させる反応がある。
2H2O2 → 2H2O + O2
注2)銑鉄から鋼をつくる際、酸素を除去するためフェロマンガンFeMnなどを使う。
注3)MnO2 + H+ + e- → Mn(O)OH