2018年6月17日日曜日

スロースリップ

 6月初め千葉県東部の地下でスロースリップが起こり、今後の地震活動が懸念されている。
 スロースリップとは通常の地震を伴わない断層活動のことで、ゆっくりと変位するため地震動の継続時間が長く、周期が長めの地震を伴う。海洋プレートの沈み込み帯でよくみられる。
 沈み込み帯ではプレートの境界が上部と下部に分けられる。上部は固着域(アスペリティ)と遷移領域に分けられ、固着域は変位をため込んで一気に崩れる変形をし地震を起こすのに対し、遷移域はスロースリップを起こしながら変位の解消をする。スロースリップが起こるとそれをきっかけに固着域が破断すると考えられる。下部は安定滑り域と呼ばれ地震は起きない。
 さらに地震計にかからないサイレント地震も存在し、GPSによる観測によって発見される。また地震動が小さいにもかかわらず津波を伴う津波地震も知られていて(1896年の明治三陸津波)、これもスロースリップに入れる場合がある。