2020年1月19日日曜日

朝比奈切通し

 来年度の授業の下見で三浦半島の朝比奈切通しを訪ねた。鎌倉時代に尾根を掘り割って造られたとされる鎌倉から東の港があった六浦を結ぶ街道の峠道である。地質としては下部が池子層、峠周辺の上部が浦郷層からできている。
 金沢八景駅から歩く、近くの神社の露頭を見た後(本当はたたきたかったが境内なので不可)、駅の背後の山(高位段丘面)に登る。山頂周辺ではバラバラになった化石礁の露頭をみる。またここから朝比奈切通しの周辺が遠望される。徒歩で車道脇を切通し手前まで歩き、直前から歩道になる。高速道路の下から露頭が始まる。石灰質な砂岩と砂質泥岩の互層である。ここは従来は浦郷層とされるが微化石の年代から池子層の可能性が大きい。さらに進むと台風の影響で倒木が続く、一番高い所の周辺は斜交葉理が発達する浦郷層がみられる。倒木の一番大変なところを過ぎると、摩崖仏のある場所である。ここからは下りで掘削されており、初めに見た互層が続く、排水用の水路も道の隅に掘られている。しばらくすすむと地層が塊状の砂質泥岩に変わり、簡単な舗装がされた道に合流したところで散策道の終了になる。本来は鎌倉まで歩くのだろうが、元来た道をもどり、途中鼻欠地蔵周辺を調べて駅に戻る。