2019年12月31日火曜日

広島山口旅行②-山口・萩-

山口市、瑠璃光寺
 幕末に毛利氏が藩庁を置いたのち、明治以降もここが政治の中心、しかし人口の少ない県庁所在地である。瑠璃光寺は大内氏によって作られた寺院で、その中に立つ五重塔は室町時代の美しく秀でた建造物とされる。
秋吉台、秋芳洞
 地学的には有名な場所だが初めて訪れた。この地域の地質は古生代後期の地層(付加体)秋吉石灰岩層(秋吉帯)と呼ばれる。秋吉台はかつてはサンゴ礁であった巨大な石灰岩が露出する地域で、地上は典型的なカルスト台地であり、地下には鍾乳洞が発達している。観光で歩く部分の鍾乳洞は大規模で、延長1km、天井が高く35m以上の場所もあった。手が加えられ歩きやすくなっていて、また途中沢山の音声ガイドなどもあったが、一般のひとに理解してもらうには必要であろう。鍾乳石、石筍、石柱、フローストーン、石灰棚、ノッチ、洞内の地下河川など一通りのものが見学できる。
元乃隅神社
 日本海に面した山口県の北にある個人所有の神社で神社本庁に属していない。すぐ近くには「龍宮の潮吹」と呼ばれる海食洞に打ち付ける波が霧状に立ち上がる場所がある。切り立った岩石海岸は火山岩や凝灰角礫岩からなり地質図によると漸新世のものであり、日本海拡大と関係あるのかもしれない。
萩の町
 江戸時代に毛利氏の本拠地があった日本海に面した城下町。幕末から戦前にかけ多くの政財界へ人材を輩出した。時間の関係で旧武家屋敷街の菊屋横町周辺と重要文化財の菊屋家住宅を見て歩いた。藩の財政を支えた豪商の店、住戸、本陣である。りっぱな庭に籠をおく方形の石、有栖川宮熾仁親王を供した萩焼、伊藤博文からアメリカ土産の時計など珍しいものが見られた。

広島山口旅行①-宮島・岩国ー

年末に行った広島、山口旅行についてまとめておく。
宮島、厳島神社
 平清盛により大規模に整えられた海にせり出す神社。現在大鳥居が修復中である。造営に関わった大巌寺、見下ろす台地にたつ五重塔、豊国神社を見学する。外国の方が多く今年は観光客が最も多くなったとのことことである。名物の焼き牡蠣とつくりたてのももじ饅頭を食する。この島は領家帯の白亜紀の花こう岩類からなり、海岸の砂も花崗岩の風化した砂からなる。
岩国、錦帯橋
 江戸時代初期に吉川氏によってつくられた5連のアーチ橋。山の上にある岩国城・上位の士族の住居と城下町とを隔てる錦川を結ぶ橋で、有名でそばの山陽道から参勤交代の大名が見学に来たそうである。また杭州の西湖の石橋をモデルにしたといわれる。これも工事中で養生に覆われた橋の見学であった。

2019年12月22日日曜日

台風被害

 岩殿丘陵の地質巡検を行った。初めに物見山を訪ねたが、そばの高校の体育館ほどの敷地の駐車場には水害にあった家電や畳が1/4ほどの場所に置かれた。ちょうど来ていた市の方に聞いたところ、一時期は満杯でやっとここまで減ったとのことであった。丘陵の散策道では崩れている場所がありう回路が作られていた。丘陵を下った後、鞍掛橋そばの礫岩露頭を観察したのだが、川沿いのトイレは水没したらしく泥と流れてきた植物などがついていて使用不能になっていた。またここの都幾川右岸からは堰が作られていて用水が田んぼに引かれていたのだが大量の砂礫が堆積して機能しなくなっている。ここのところ台風の爪痕の報道はされなくなったが、いまだにその影響はのこっているようである。

2019年12月15日日曜日

地学研究大会

 地学研究大会で立正大学の熊谷キャンパスを訪ねた。比企丘陵の一角にぜいたくに土地を使ってつくられたキャンパスで教育施設としてはうらやましい限りである。
 個人的にはポスター発表を出した。題目は「放散虫化石から年代と環境を推定する-岩殿丘陵の研究-」である。この春の論文をポスターにしたもので。やや字が多くなり固いものになってしまった。
 大会では研究委員の報告と立正大学教員の堆積学と気象学の専門家の講演がありそれなりに有益な話であった。