2019年8月24日土曜日

南八ヶ岳

 登山部で南八ヶ岳の硫黄岳と横岳を登った。硫黄岳と横岳は八ヶ岳火山の後半(20万~15万年前)に形成されたもので現在は浸食がすすみかつての姿を残すのは硫黄岳噴火口だけになっている。1日目は美濃戸口(1500m)から徒歩で赤岳鉱泉(2220m)へ。鉱泉ではガスの中、森の中にテントを張った。周囲はメボソムシクイの声が響き夜中にはシカの声が聞こえた。
 2日目は亜高山帯の樹林の急登を赤岩ノ頭へ。高山帯をガスおよび雨の中、硫黄岳(2760m)へ、何も見えず、シャクナゲの樹が多く花の時期に来れば見ごとのよう、足元には食いかけのハイマツの球花が多数落ちる。次に横岳へ硫黄岳山荘で休憩、コーヒーがおいしかった。道沿いにはコマクサが目立った。この周辺は南八ヶ岳で最も高山植物の豊かな場所である。稜線沿いの道は後半鎖場があり、晴れていれば高度感があったのではなか。横岳山頂(2826m)で記念撮影。来た道を引き返す。ホシガラスを見る。天気が良かったら峰の松目(火山活動最後半の溶岩円頂丘で形成年代は15万~10万年前)のピストンを考えていたが省略。赤岩ノ頭からの下りでは、新しく倒れた木が多数みられる場所があった。
 3日目の夜半から前線による雨が降る。その中テント撤収と下山、北沢は水量を増していて、さらに増水すると危険である。美濃戸口のバス停の山小屋で風呂に入り3日間の汗を流す。

2019年8月15日木曜日

白神山地と岩木山-東北旅行2-

 旅行の後半は青森県の白神山地と岩木山を訪ねる。
白神山地
 青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がっている標高1,000m級の山地(山岳地帯)のことをいう。 白神山地は1993年日本で初めてのユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録された。人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布している。ブナの木は従来、椎茸栽培以外にはあまり役に立たない木であったために伐採を免れた。世界遺産地域は、中央部の核心地域と、周辺の緩衝地域に分かれ、世界遺産登録時より開発を行わず、現状のまま保護されることになっている。従って、これらの地域には遺産登録以前からあった登山道以外には道はなく、今後も恒久的に整備されない予定である。特に核心地域には道らしい道はない。暗門地域を散策する豊かなブナ林とともに空にはクマタカが旋回していた。
岩木山
 青森県弘前市および西津軽郡鰺ヶ沢町に位置する円錐形の成層火山で津軽富士とも呼ばれている。山頂は三つの峰にわかれており、これらは火山活動により生じた外輪山の一部、および三峰の中心にある岩木山は鐘状型の中央火口丘である。山頂からは日本海、白神山地、八甲田山等360度の展望がある。

八幡平と八甲田山-東北旅行1-

 夏の東北旅行の場所を記録しておく。前半は岩手県から青森県にかけて訪ねた。
八幡平
 およそ100万年前に噴出したいくつかの火山でできていて、山頂が台地状になった成層火山だと考えられている。頂上部には9千~5千年前に発生した水蒸気爆発により多くの火口ができている。その火口に水がたまり、八幡沼やガマ沼、メガネ沼などの火口沼が形成された。アオモリトドマツやブナの原生林、針葉樹林帯が形成されている。
十和田湖
 十和田火山の噴火で形成された二重カルデラ湖で最大深度327m、現在も活火山に指定されている。唯一の流出河川である奥入瀬川が太平洋に向けて流れ出ている。
奥入瀬渓流
 奥入瀬川の十和田湖東岸の子ノ口から北東に約14kmにわたる奥入瀬川の上流の渓流部分。いくつもの滝が点在し、渓流沿いには車道とともに遊歩道が整備されている。
八甲田山
 青森市の南側にそびえる、18の成層火山や溶岩円頂丘で構成される火山群である。明治35年に青森の歩兵第五連隊が雪中行軍の演習中に記録的な寒波に由来する吹雪に遭遇し、そのほとんどが遭難した事件(八甲田雪中行軍遭難事件)が発生したことで有名。1600mに満たない山地ではあるが、青森県を東西に二分し、それぞれの気候の特徴に大きな影響を与えている。夏季は太平洋から冷たく湿った北東からの季節風「やませ」が吹き込み、青森県の太平洋側は濃霧・冷害に見舞われる。対して八甲田山の西側は優良な稲作地帯である。冬季は日本海から湿った北西の季節風が吹き、津軽地方に雪をもたらす、一方、八甲田山の東側は晴天率が高く降雪も少ない。

2019年8月11日日曜日

青木ヶ原樹海

 部活で青木ヶ原樹海を歩いた。西暦864~866年にかけて富士山北西部で起こった大規模な割れ目噴火で、この結果として北西山麓を溶岩で広く埋め尽くした。この上に約1300年をかけてつくられたのが青木ヶ原樹海である。生物の教員とともに歩いたのだが、1300の割に混合林で極相に進んでないので遅いのではとの話題が出た。標高(900-1200m)と溶岩のでこぼこした地形のせいかもしれないとの話だが、ここが極相に至ると夏緑樹林帯になるのではないか。
 極相は緯度と降水量によって決まってくる。降水量の多い日本の場合でまとめると、関東地方以南ではシイ・カシ・タブノキ類が優占する照葉樹林がそれにあたる。もう少し寒い冷温帯だとブナを中心とした夏緑樹林が極相となる。亜寒帯では本州ではアオモリトドマツ(オオシラビソ)・シラビソが,北海道ではエゾマツ・トドマツなどの針葉樹が優占する森林となる。照葉樹林の極相が成立するような気候条件下でも,山の尾根筋や,風あたりの強い場所などでは,草地や低木林のままにとどまることもある。また,森林になってもカシやシイで構成された標準的な照葉樹林にならず,モミやツガなどの針葉樹林を多く含んだ森林として安定することも多い。

2019年8月4日日曜日

臨海実習

 7月31日、8月1日と第4回の理数科臨海実習を行った。梅雨が明けてすぐで暑さのなかでの行事であった。1日目の海洋生物観察はぬるいくらいの水温で助かった。説明補助の方からとりたての海ブドウをいただいた。ヒサラガイ(多板網)、クサフグ、貝殻をなくした軟体動物のウミウシなどを見た。
 2日目の地質巡検は30度弱の晴天のもと2時間強のフィールドワークであったが、海風のためまあ暑かったという程度であった。城ケ島の第三系は軟らかいので半年も過ぎると微妙に露頭が削られているようで、火山豆石が見つかりづらかったりするのだが、今回は長津呂湾の南できれいなズーフィコス化石が見つかった。いままで見たものの中で最もりっぱなものである。