2019年7月23日火曜日

人類の歯の進化

 類人猿との共通の先祖から現生人類が進化する過程でその顎(歯列弓)が長方形型からU字型、そして放物線型になり、同時に歯も小さくなったことが知られている。これは食生活および生活形態の変化が原因だと考えられてる。
 細かく見ると次のような変化がある。歯数が32本になったのは旧世界猿である。ヒト以外の他の霊長類ではオスの犬歯は歯列の咬合面から外へ強く突出しているが、私たちの犬歯は他の歯の噛む面とほぼ同じ高さになり小型化している。また200万年前ころの猿人類(アウストラロピテクス・ロブストス)では現代人と違って第3大臼歯が最も大きく,第1大臼歯が最も小さい歯であった。また、ネアンデルタール人と比べても現生人類はより小さな歯になっている。
 次に日本人の歯についてだが、縄文時代から弥生時代に大型化した、これは大陸から来た弥生人が縄文人と混血したからと考えられている。次に鎌倉から江戸時代は小型化している。しかし明治以降大型化していてこれは食生活の西洋化が影響していると考えられる。また現代、顎の大きさの変化はあまりないが歯が大きくなっているためまた不正咬合の割合が増えている。