2013年8月24日土曜日

植物が地球環境を作った

 埼大で教員免許更新講習で大西純一氏の「植物が地球環境を作った‐地球環境と生命の共進化」を受ける。地球誕生から現代にいたるまでの生物の進化と地球環境の変化を扱う、特にカンブリアの生物進化の大爆発までがメインであった。さらに人類が直面する環境問題について発展させている。
 大方の話は理解していたが、いわゆる化学系の環境問題とは細胞の専門家の視点の違いが新鮮だった。具体的には全植物が生産する有機物と全人類が消費する比較、植物が何千万年かけて作った石油を約100年ほどで消費尽くそうとしている人類のエネルギー消費の実態などである。

2013年8月22日木曜日

「光合成とはなにか」

 「光合成とはなにか」園池公毅著を読む。
 光合成とはなにかを概説的にまとめた、理系の学部系生向けの教養書といったところ、決して一般向けの普及書ではない。内容は高校生物の教科書を理解していることを前提に、光合成にかかわる様々な事象について触れている。とくに分子生物学的に明らかになった水と二酸化炭素と光とから有機物と酸素ができる過程を詳述している。
 この本を選んだ時、生物進化の過程の中で光合成がいかに成立し、それが環境にどのように影響を与えたかを期待していたが、若干こちらの要求とは違っていた。もうし訳ないがわくわく感のない本である。

2013年8月21日水曜日

学校を巡る状況変化/教育改革の動向

 埼大で教育免許講習の一般講習を2日間受けた。
 6こま受けたのだが、面白く一瞬たりとも眠気をもよおさないものが1つあった。それは山口和孝氏の「学校を巡る状況変化/教育改革の動向」であった。
 何故私たちがここにいるのか?第一次安倍内閣でいかにこの法律が不思議な手続きでつくられたか。この法律の数多くある制度上の問題点。国立大学がいかにこの政策に対して対応したか、また協力せざる得なかったか。民主党政権になってなぜこのシステムはなくならなかったか。この間の教員の対応のおさまつさ。現政権は教員免許状をいかにしようとしているか?このような内容であった。
 現政府は自分たちの思う通り教育者が動くようなシステムにしようとしている。

2013年8月20日火曜日

地球環境問題の科学

 学芸大で教員免許講習の講義をうける。題目は中野幸夫氏による「地球環境問題の科学」である。
 内容は地球表層の環境についての解説、酸性雨、オゾンホール、PM2.5のそれぞれについてまとめる。そしてメインの地球温暖化の問題を基本から解説した。8割は知っている話であったが、京都議定書以降のはなしやIPCCの活動について、また大型コンピュータによるシュミレーションについて単純に暑くならず陸上や現在の寒冷地が暑くなるようすや雨の多いところの雨が増える(また逆のケース)などがわかりやすく語られていた。

2013年8月14日水曜日

山中地溝帯を訪ねる

 夏合宿で山中地溝帯周辺の化石、鉱物採集を行った。1日目に山中地溝帯の北の二子山周辺を訪ねた。股峠での方解石採集はそれなりのサンプルが多数採れた。石灰岩帯の一部に圧力が加わり再結晶化したものであろう。次に東岳の東の林道でフズリナ化石の採集を行った。このポイントが見つかるまではなかなか良いサンプルが得にくかったが簡単に石炭紀のフズリナやウミユリが採集できた。また、そのあと山中地溝帯の天然記念物の漣痕化石を見学した。
 2日目の午前は不二洞を訪ねた。山中地溝帯の南の秩父帯に位置する古生代の石灰岩体にできた鍾乳洞で、関東では一番大きな観光洞である。2次生成物として鍾乳石、石筍、石柱、洞窟サンゴ、カーテン、ストローなどがあり、またそれ以外に蝙蝠やその糞のグアノなどがみられた。午後はコテージの裏手の金毘羅ハイキングコースを歩いた。山を30分ほど登ると溶食をうけた石灰岩体のところに祠が作られていた、不二洞とほぼ同じ層準である。
 3日目は恐竜センターを訪ねた、山中地溝帯と白亜紀の恐竜についてまとめた真面目な博物館であった。午後はセンターの企画運営する化石採集コースに参加した。化石採集地は山中地溝帯の瀬林層が露出し、その泥岩層からは巻貝や2枚貝がとれた。企画そのものは小学生向けの化石採集だけを行う企画で地層の全体像がつかみにくい、その部分がやや貧弱な企画であった感がする。

上野村の星空

 夏合宿でペルセウス座流星群にあわせて上野村を訪ねた。まほーばの森のコテージに泊りすぐそばの高台で観察を行ったのだが1日目は橋のライトアップが10時まであり観測の邪魔になったが、2日目は事情をはなしたところ消してもらった。コテージ、本部棟、街灯の光はまあ我慢しなければいけないくらいの明るさであった。
 次の問題は天気であるが、1日目は晴れたり曇ったりで1時に完全に曇ったので観測を終了、2日目は遠くでのフラッシュの様な稲光の中でかつ晴れたり曇ったりであったが2時前に曇りわずかに雨が当たり始めたので観測を終了した。晴れた時は天の川もきれいに見える満足のできる星空であったがそれが続かなかったのが残念であった。南のみやや視界が遮られるので昨年までの中津川に比べると北極星周辺やみずがめ座などがみられる状況であった。ペルセウス座流星群については初めての生徒は堪能してくれたのではないか。

ps 天体写真の課題
夏合宿で天体写真を次のカメラで撮った
NEX-5N、E18-55mm F3.5-5.6
ISO1600、開放で30秒で星座を赤道儀に乗せて撮ったのだが、光量が足りず露出をバルブににして60秒ほどかけ何とか写真にした。
プリントするとやや光量不足の写真になっている。
もう少し見栄えのする写真にするには露出時間を変える2~5分にするか、レンズを明るいものにするかのいずれかが必要だ。
2013-08-17

2013年8月7日水曜日

最新地震学の初歩

 教員免許状更新の研修で学芸大の里嘉千茂氏による「地震と津波の話」を受ける、内容的には初歩の最新地震学といったところであった。
 里嘉千茂氏は学芸大の地球物理学者の教授である。午前中は初心者もいるとのことでプレートテクトニクスからはじまり、岩石の破壊、P波、S波、マグニチュード、震度、余震、津波、長周期地震動、地震津波災害事例、VLBI、SLR、GNSS、InSAR、地震予知と盛りだくさんの講義がなされた。午後は学芸大の自然科学棟の地下にある観測室の見学を行った。この施設は半分は学生の教育用だそうである。簡単なまとめの後、試験があった。専門に近い私にとっては大したことはなかったが、専門外の人にとっては難しかったのではないか?

2013年8月3日土曜日

利尻島と礼文島

 夏休みにおもに植物を中心に利尻島と礼文島をそれぞれ1日ずつ訪ねてきた。
 利尻島は200万年前に隆起した基盤の上での噴火によって生まれる。大きく5期(Ⅰ~Ⅴ)に分けられる火山活動の噴出物が積み重なってできた「成層火山」であり、約9万年前までには現在のような山が形成されていたと考えられている。 現在は火山活動を停止しているために、山体は標高500m以上では著しく浸食され、それよりも下では緩傾斜の溶岩台地または扇状地形を示します。沓形から島をぐるりと回って観光をした。沓形はⅣ期の溶岩で、7?3.7万年前に流れた玄武岩質溶岩で、丸みを帯びた細かい穴が多数空いているのが特徴で、「パ・ホイホイ溶岩」と同じものです。次に訪れた仙法志岬は最新のⅤ期で赤っぽい溶岩が目立った。また南原湿原、オタトマリ沼、姫沼を見学したがいずれもⅤ期の活動期の側噴火の火山でその際できた凹地に水がたまった湿地または池である。
 礼文島は隆起した大地で、北部と南部は第三系、中央部が白亜系からなる。はじめにレブンウスユキソウを見に白亜系の分布域を歩く、山の稜線はなだらかで樹木がなく草原がつつき森林限界超の様相を呈する(厳密には亜高山帯のようで山火事等で失われたものを再生させようとしているがその厳しい自然のせいで成長速度が非常に遅く思うようにならないようである)。そのあと澄海岬とスコトン岬を訪ねた。いずれも第三系の領域で、澄海岬は貫入岩による柱状節理がみられた。