2014年8月30日土曜日

夕凪の街 桜の国

 修学旅行の事前学習で、「夕凪の街 桜の国」を観る。前半が被爆10年後に原爆症で亡くなる女性の話し、後半がその姪(母親が被爆しすでに原爆症で亡くなる)が弟が被爆2世だと結婚差別をうけるなか自分の叔母や両親の生立ちをたどる話し。非常に抑え目な表現で戦後の被爆者の状況や被爆者に対する差別を訴えている作品。動画で見たときは感情に訴える部分が気になり(やたら泣かせようとする演出の死亡する女性の最後の状況)、また展開で理解できない部分がありすっきりしなかった(なぜ姪の友人が一緒に広島に行くのか、ラブホテルが出てくるのかなど)。あとで漫画を読み直してみるともっと緻密に構成された良い作品である。評価は漫画のほうが全くすぐれている。いままでヒロシマ関連で平和教育に使った文芸作品は「はだしのゲン」や「黒い雨」だがそれらに匹敵する作品である。

2014年8月25日月曜日

焼岳

 登山部の夏山山行で焼岳に登った。夜行バスで現地に入る0泊2日の弾丸登山である。中の湯バス停で降り、峠までのくねくね曲がる車道を登ると登山道入り口になる。1000mの登りのうち前半が樹林帯で、途中から雨が降り始める。後半は亜高山帯になるがここでの雨が一番大変であった。硫黄の臭いし始めると山頂直前、南峰と北峰との鞍部にたどり着いたあと北峰に登る(南峰は立ち入り禁止)。山頂周囲の複数のところから硫化物を含む水蒸気が上がっている。ガスってはいたが時折火口湖がみられる。上高地方面に下るが、山頂周辺は岩につけられた〇印をたよりに歩く、右手には大正池と梓川が遠望される。焼岳小屋にて小休止、ここからは樹林帯になる。急傾斜のため複数のところに梯子が設置してある。右手に大規模な崩落のあとがみられる。梓川沿い林道にでるとあとは平たんな道を上高地のバスターミナルまで歩く。
 あるきながらの転石観察だが、登山口の周囲を除いて角閃石安山岩が主な岩石であった。山頂周辺は赤く変質した岩石が多かったようである。また季節がらコケモモの赤い実、ツリフネソウやホタルブクロ、アザミなどの野草が秋の花になっていた。

2014年8月22日金曜日

土石流

 今年の太平洋高気圧は弱く、夏らしい天気が続くのは関東地方のみで、西日本には太平洋高気圧のへりを2度台風が通過したほか、西日本から東北地方にかけて梅雨前線のような前線が停滞し雨が多く、複数地区で集中豪雨の被害が発生している。
 そんな中8月20日未明に、広島県北部において時間雨量100mmを超える猛烈な雨が2時間続き、土石流が発生し、死者と行方不明者で約90人の災害があった。気象的にはこの地域は北に山があり南からの湿った風が積乱雲を発生させ猛烈な雨が発生した。周囲の小河川は軒並み土石流が発生していて、中国地方に特有なまさ土による土石流という説明もあるが、広島のベットタウンで小河川の扇状地をカットして造成された土地であり、旧河川沿いの最上流部が最も被害が出ている。
 マスコミでは市などの避難勧告の遅れを指摘する声もあるが、厳しい指摘をすると根本的には建ててはいけないところに家を建てたのが被害を招いた一番の原因だと考えられる。なぜこんなところに家を造るのか?関東平野でもすごいお金をかけ堤防を強化して低地に住宅を作るが、堤防はいつかどこかで決壊する。業者とこれを追従する行政によって自然災害がおこっている気がしてならない。

2014年8月17日日曜日

道東旅行

 道東旅行で訪ねた釧路湿原以外の場所の記録をしておく。
 太平洋炭鉱展示館・・・かつての釧路を支えた炭鉱で、日本で現在唯一稼行する炭鉱の資料館。本格的な採炭でなく海外を対象にした技術研修のために稼行されている。掘り出されるのは古第三紀の石炭で、機械化された採炭の様子が展示されている。
 十勝石・・・十勝川支流の音更川沿い等でとれる黒曜石(火山ガラス)およびその礫、上流にある第四紀の火山を起源とする。これを加工したものが昔から北海道土産として知られている。十勝工芸社という十勝石の商品製作の工房に行ってペンダントおよび原石を手に入れる。
 然別湖・・・大雪山国立公園にある標高810mの北海道の湖では最も標高の高い場所にある。カルデラ湖とも火山性堰止湖とも言われている。湖周囲には平らな土地が少なく散策道はわずかである。ネイチャーセンターがあり各種アクティビティが体験できる。
 長節湖原生花園・・・十勝平野の太平洋の海岸に面するキャンプ場のある原生花園。ネイチャーセンターなどがなく砂丘(?砂州)の上の全く自然の原生花園。訪ねた際には長節湖では徒歩で網をもった地元の方が漁を行っていた。何もないのだが十勝の人の手軽な観光地という感じである。

2014年8月16日土曜日

釧路湿原

 約20年ぶりに釧路湿原を訪ねた。前回は釧路市湿原展望台から眺め、周囲を散策したのみであったが、今回は1日強を使っての湿原探索である。
 1日目は釧路空港に降りたのち釧路市丹頂鶴自然公園へ、羽根の切られた丹頂であるがほぼ自然状態での観察ができる。この春生まれた薄茶色の幼鳥がほぼ成鳥と同じ大きさになっている。おもったより小さいというのが印象で、かつて見たマナヅルよりやや大きい程度。
 翌日は初めに細岡展望台に行って湿原の全景を眺める。阿寒の山々から手前の丘陵、そして広がる湿原のをくねくねと流れる釧路川を見る。そのあとにカヌー体験をする。左岸の塘路湖からスタート、昨日の台風の雨の影響で水量が多いまたこれは視線が上がるという意味で湿原観察には有利とのこと。ヒシの浮かぶ塘路湖から釧路川への小河川は本来とは逆向きの水流で漕ぐのに若干苦労。釧路川に入ると川幅や広くなり右へ左へ蛇行する河川にそって下る。水は雨の影響で濁っていて、ときどき上流から枝の塊などが流れてくる。河岸は湿原や柳、ハンノキのブッシュからなる。途中樹上からオジロワシの幼鳥が親に向かって鳴いているのをみる。次にエゾシカが岸を歩くのに出会う。前方のカヌーが刺激を与えたせいかタンチョウの鳴き声が聞こえる、私たちが近づいたときには姿は見えなかった。細岡駅のやや上流でカヌーを降りる。
 午後は湿原で最も湿原観察がしやすいという3kmの恩根内木道をガイドとともに2時間をかけて歩く。湿原の縁、ハンノキのブッシュ、湿原と異なる環境の植物と植生を見学。谷地まなこ、谷地坊主、食虫植物、ツリフネソウ、ドクセリなどを見る。自然のタンチョウが見られる場合もあるとのことだが駄目であった。現在湿原の急速な乾燥が問題になっている、環境を維持するためのは湿原そのものだけでなく周囲の丘陵の環境の保全も必要とのこと、なるべく長く今の環境が残されることが望まれる。

2014年8月9日土曜日

「原爆と原発事故について学ぶ」

 「原爆と原発事故について学ぶ 記入式教材集」関根一昭・澤野重男編著を読む。著者から学会の連絡誌に書評をとの依頼があり、一読した。本自体は記入式の教材集という形式でその通りであるのだが、通読すると今の原爆と原発事故に関して総合的に理解できる良書でもある。
 内容的には原子力、原爆、原発の歴史と仕組み、福島第一原子力発電所の事故の詳細、世界の核兵器の問題、脱原発と自然エネルギーについて等がまとめられている。
 また特徴としては、記入式なので重要事項を確認しながら内容をきちっと理解しながら進むことができること、グラフを書かせなど作業をさせることで数字の意味を理解で来るよう工夫されている、内容的には決して妥協していないので教員が読んでも充分満足できる水準を保っている、福島の問題を扱っているので内容的に新しく、マスコミ等でぽつぽつ流された情報がどんな意味を持つか丁寧にまとめられている、自ら測定したデータから具体的な放射線の問題を扱っている等がある。

2014年8月8日金曜日

上野村の星空

 群馬の上野村での夏合宿で8月4日と5日の晩に天体観測を行った。4日は昼すぎから曇天で、待機で始まったが10時過ぎから徐々に雲の合間に星が見え始め、天体写真は難しかったが観望としては良かった。
 5日は朝から晴天で、夜は9時半から11時ころまでは雲が多かったが、それ以外は満天の星空に近く、まほーばの森の2年間の観測でベストな星空を堪能できた。前半は北斗七星、牛飼い座、おとめ座、ヘラクレス座、次にこぐま座、白鳥、こと座、わし座、いるか座、いて座、みずがめ座、後半はケフェウス座、カシオペア座、ペルセウス座、ペガサス座、アンドロメダ座、三角座、牡羊座、おうし座、御者座と春から初冬にかけての星座が次々に現れ、写真に撮った。わし座からカシオペアにかけての天の川が次第に動くさまは感動的でもあった。そのほかアンドロメダの小宇宙、ヘラクレス座の球状星団、二重星団を観望した。流れ星も複数見ることができた。今年は橋のライトアップはなくなり天体観測にはありがたかった。

よーばけと山中地溝帯

 地学部の夏合宿でよーばけと瀬林を訪ねた。合宿の1日目、秩父のよーばけでは強い夏の日差しの下、赤平川を渡り崖の基部まで行って転石から化石を採集した。ムカシエンコウガニ、ユキノアシタガイやその他の二枚貝が採集できた。近くにある「おがの化石館」を見学をした。
 3日目に瀬林の漣痕を見学し山中地溝帯での化石採集を行った。昨年は博物館の化石採集に参加したのだが、今回は情報を集めて化石の出そうなポイントでの採集を行った。下見ではほとんどまともなものがでなかったのだが、13人で探すと違うもので、文化祭に展示するものは採集できた、トリゴニアや二枚貝などである。