2014年2月5日水曜日

STAP細胞

 日本の研究者・小保方晴子がマウスの細胞でSTAP細胞の作製に成功したと英国の科学誌「Nature」に発表した。STAPはStimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency(刺激惹起性多能性獲得)の略称であらゆる細胞に分化させることができる「万能細胞」の一種である。細胞を弱酸性の溶液に30分ほど浸すことで刺激を与え、それを培養することにより作られ、より短時間で効率的に作ることができ、細胞がガン化する可能性も低くなると考えられている。どこにでも自然状態で起こりえるあまりにも単純な方法で万能細胞ができたことに驚きを禁じ得ない。

ps 続報
 STAP細胞が華やかに発表された後、どうも論文通りの方法では再現できないことが話題になった。続いて使用している画像が他の論文からの不適切な流用、加工があり、さらに実験方法の詳細な説明の際に論文の内容とは異なることが語られるに至り、共著者からの論文取り下げ要請となり、ごちゃごちゃな状況になっている。
 一連の流れから小保方氏の研究者としての資質の問題、早稲田大学における博士論文認定の問題(きちっと論文を審査しているかどうか)、天下の理化学研究所がこうもずさんな体制であったのかの問題(一部に功名心を組織として焦ったとの推定もある)が語られている。
 大学のころ、中新世のフィールドで鳥の足跡らしきものが見つかり、周囲は生痕が専門のメンバーに短報でも出せばとはやし立てたことがあった。本人曰く「どうも客観的におかしい、もし出した後単純な認定ミスであったら学会にもう論文が出せなくなる」と投稿はしなかった。研究者は論文で明らかなミスを犯した場合相手にされなくなり、嘘を書いた場合その世界から追放されとるいう基本的なことを教わったと思っている。
2014-03-29

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