2013年12月30日月曜日

南紀旅行

 南紀を訪ねた。その地質についた大ざっぱにまとめると、四万十帯およびそれを不整合で覆う熊野層群に熊野酸性岩類が貫入した地質である。今回、訪ねた場所で岩石が良く見えたのは次の場所である。
 瀞峡・・・熊野川の支流の北山川沿いの渓谷で、地質は四万十帯の一番北にある日高層群が熊野酸性岩類による接触変成を受けた岩石からなる。ここを天井の開くジェット船で1時間ほど遊覧した。
 花の窟神社・・・イザナミノミコトをまつる神社、花崗岩類の約45mの大きな崖(熊野酸性岩類)を神体とする。
 那智の滝・・・熊野酸性岩類の南の末端で那智川にかかる、落差133mの滝、日本3名瀑のひとつ。
 *紀伊半島の四万十帯・・・紀伊半島中部から南部にかけて広く分布し、北から日高川層群、音無川層群、牟婁層群に分けられる。紀伊半島東部は秩父帯が欠落しており、四万十層群が中央構造線を挟んで領家帯と隣接している。
 *熊野酸性岩類・・・熊野酸性岩類は、熊野層群が隆起して陸地になった後、1400万年ほど前に地下からマグマが噴出してできた。花崗斑岩がほとんどであるが流紋岩と流紋岩質凝灰岩も含まれる。

ps 那智黒石
この地域に産出する有名な石材に那智黒石がある。黒色で硬質の粘板岩で、新第三紀中新世の熊野層群から採取される。
昔から硯や碁石に使われてきたのだが、観光によったついでに記念に安い置物でもと求めたのだが、帰るてみているとどうも変で硬質なゴムの様な雰囲気である。ネットで調べると頁岩の粉を樹脂に混ぜ、型に流し込んで作ったものをニュー那智黒といい、販売しているとのこと。こんなものにも、それも日本でまがい物が出ていることに驚いた。
2013-12-30

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