2014年5月4日日曜日

火星の準小接近

 4月14日に火星が最接近した。準小規模の接近のため特に騒がれないが、2年2か月ぶりの接近で今シーズンの見ものの1つである。地球はほぼ円軌道なのに対し、火星ははっきりとした楕円軌道のため。近づく位置によって接近の距離が変化する。近辺の最接近で最も近づいたのが2003年8月27日の5600万キロ(0.37天文単位)、最も遠かったのが12年3月5日の10000万キロ(0.67天文単位)である。
 3月と5月の観測会で2度ほど観望、写真撮影したが20cmシュミカセではっきりと極冠や濃淡模様(いわゆる地形)が観察できている。今回はこの程度だが次回(16年5月30日、7500km)とその次の大接近(18年7月31日、5800km)にはよりきちんとした計画を立て観察をしていきたいと考えている。

ps 火星の準小接近
火星の準小接近
 今年の3月から5月は夜空に普段見られない赤い星が輝いているのに気が付いた人も多いと思いますが、これが火星です。火星は地球の一つ外側を公転する惑星で公転周期は1年11か月と比較的地球に近いため、2年2か月ごとに地球に近づきます。そして今年4月14日に地球と接近をしました。地球の公転軌道はほぼ円なのに対し火星ははっきりと楕円軌道をとるため近づく位置によって近かったり遠かったりします。近い接近を大接近、遠い接近を小接近と呼び、それはそれぞれ8月、2月に接近することに相当します。今年は4月の接近なので準小接近と呼ばれています。火星は大気が少なく接近の際には表面が観察できます。全体に赤い色をしていますがこれは赤鉄鉱の色で、極地位にはドライアイスの氷が白く見えるときがあります。また赤い部分は濃淡があるため、その模様に名前が付けられていて、暗い部分は月と同じようの海の名が与えられています。この模様の動きからその自転周期は測定され地球とほぼ等しい1日と40分です。
 地球科学部では3月末と5月初めの観測会の時、写真を撮りましたが以下そのデータです。
写真1(上)14/03/25、EM-1S赤道儀、FL102S、7mm接眼拡大、NEX-5N。アキダリアの海が下(南)に黒く見える。
写真2(下)14/05/02、スフィンクス赤道儀、20cmシュミカセ、7mm拡大、NEX-5N。アキダリアの海が下(南)に黒く見える。
これ以外にも複数回挑戦したが風がある日は満足な画像が得られなかった。
 なお次回の接近は2016年5月31日で、中接近ということになります。
(学校用の解説シート原稿)
2014-06-08

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