2019年5月11日土曜日

歯の進化

 歯とは咀嚼するために口にある最初の器官で外側からエナメル質、象牙質、歯髄からなる。固いため化石として残りやすく重要な示準化石でもある。
 最初に歯を獲得したのは魚類の無顎類で、現在のサメの体表面にみられる微細な盾鱗(エナメル質や象牙質からなる)が起源と考えられている。またこれとは別に顎を獲得し(顎口類)たが当初歯はなかったがその後、歯と顎が組み合わされることになった。
 初期の歯を持つ化石としてコノドントが知られている。カンブリア紀から三畳紀(6億年前から1億8千万年前)の地層から発見される歯状の微化石である。一般に大きさは0.2ミリ~1ミリ程度の大きさで原始的魚類の歯であると考えられている。
 現生の魚類の中でも歯が進化したのはサメの仲間で、その歯は獲物を捕る時に抜け落ち、すぐに次々と生えてくる。歯の後ろに6列から10列もの予備の歯の控えていて、歯が抜け落ちると予備の歯がベルトコンベアー式に前にでて埋めるようになっている(多生歯性)。
 その後陸上に脊椎動物が上陸し両生類となりさらには虫類に進化するが、その特徴は一生の間に何度も歯が生え変わること、そしてすべての歯の形は円錐形で、同じ形の歯が並んでいることで、顎が成長するにしたがい、歯が合わなくなるので新しい歯が必要になるため何度も生え変わる。
 次に現れたのが哺乳類である。その歯の特徴は乳歯と永久歯があって歯が一生の間に二度生える(二生歯性)こと、歯の数が決まっていて、切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯の4種類の形があること、そして歯の根の部分が顎の骨の中に埋まっていること(歯槽がある)である。

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