2014年10月13日月曜日

青色発光ダイオード

 スウェーデン王立科学アカデミーは、2014年のノーベル物理学賞に青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇(名城大教授)、天野浩(名古屋大学教授)、中村修二(米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授)を選出した。
 LEDチップの基本構造は、P型半導体( + :positive 正孔が多い半導体)とN型半導体( - :negative 電子が多い半導体)が接合された「PN接合」で構成されます。LEDチップに順方向の電圧をかけると、LEDチップの中を電子と正孔が移動し電流が流れます。移動の途中で電子と正孔がぶつかると結合し、再結合された状態では、電子と正孔がもともと持っていたエネルギーよりも、小さなエネルギーになります。その時に生じた余分なエネルギーが光のエネルギーに変換され発光します。これがLEDの発光原理です。
 1960年代に赤色発光ダイオード、1970年代に黄色発光ダイオードが発明されたが、30年ほど青色発光ダイオードができなかった。これを主に窒化ガリウム (GaN) を材料とし開発したのが3氏であり、これによって発光ダイオードによる白色光が作られるようになり、低消費電力、長寿命、小型の特性を利用し私たちの生活に非常に影響を与えつつある。
 周りの人たちは日本の理系科学者や技術者のレベルの高さを評価している。しかし受賞を喜びつつも不安を感じる。昨今、研究者の成果主義、雇用の不安定さを聞く機会が多く、今のままでは「かつての技術大国」と呼ばれるのではないかと心配する。

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