2024年2月23日金曜日

「フォッサマグナ」

 「フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 」ブルーバックス,藤岡 換太郎 (著)を読む。日本の地史の最大の問題であるフォッサマグナについて正面から取り上げた普及書。

 フォッサマグナは北部と南部に分けられる。北部は日本海拡大の際の東日本と西日本が観音開きの様に移動した際、中央部に巨大な地溝が生じたのが元になる。この際糸魚川静岡構造線は正断層であった。火成活動を伴う6000m強の堆積物ができる。この運動によって日本列島の逆「く」の字配置ができる。またこの後太平洋プレートによる圧縮場となり、糸静線は北米プレートとユーラシアプレートの境界で逆断層になる。日本海の拡大は四国海盆拡大にも関係したプルームから枝分かれしたものが原因の可能性があり、拡大終了後圧縮場の下で日本海盆の東日本への沈み込みが始まった。

 南部は観音開きの先端にあたるが、ここではトランスフーム断層であったフィリピン海プレートの境界が沈み込み境界に変わり、その東端の太平洋プレートの境界にあった島弧が次々に衝突をはじめる。御坂山塊、丹沢山塊、そして現在伊豆地塊が衝突および付加をした。これに伴いプレート境界は次ぎ次に南にジャンプし、またその衝突に伴って境界では厚い堆積物ができた。またこの一連の衝突によって基盤の中古生界の八の字構造が成立した。


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