2014年12月8日月曜日

北極振動

 地学研究大会で田中博氏の「北極振動」に関する講演を聞いた。
 北極振動とは北極の気圧が平均より高くなることと低くなることを繰り返す現象で冬季に顕著になり、様々な周期がかさなるが10年前後が一番顕著に表れる。中緯度の冬の気象に強く関連する現象である。
 北極の気圧が低いとき(これを極振動指数が正という)は、極渦が強くジェット気流の蛇行が少ない。このさい北半球中緯度の気圧は高く、寒気の南下が抑えられ暖冬になる。
 北極の気圧が高いとき(これを極振動指数が負という)は、極渦が強く弱くジェット気流が大きく蛇行する。このさい北半球中緯度の気圧は低く、寒気の南下がするため厳しい冬となる。昨年の大雪や今訪れている北米や日本の寒気は負の指数の北極振動の影響であると考えられる。
 原因であるが、現時点では物理的な振動現象である可能性が大きい。また同様な南極振動も存在する。

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