2016年2月10日水曜日

「宇宙物理への道 宇宙線・ブラックホール・ビックバン」

 「宇宙物理への道 宇宙線・ブラックホール・ビックバン」佐藤文隆著(岩波ジュニア新書394)を読む。著名な宇宙物理学者がいかに専門と取り組んできたか、またその間の宇宙物理学の発展の様子をまとめたもの。
 専門の項目としては次のようなものが取り上げられる。クウェーサーと重力崩壊、一般相対性理論、宇宙背景放射と宇宙膨張、ブラックホール、暗黒物質、大統一理論などである。本書の主目的でないのだろうが、それぞれの事象に対する掘り下げはややおおざっぱで、これだけを読んだのではややわかりにくい部分も多い。
 次に、この本は科学者の一人としての歩みに重点を置いている。それらは具体的に、自身の生い立ち、学生時代の話し、学生時代にいかに研究者としての力をつけたか(彼の場合自主ゼミの役割が大きかった)、研究テーマを以下に設定したか、他の研究者との交流がいかに役に立ったか、科学と政治の問題、研究者としての心構えなどである。

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