2017年1月8日日曜日

小川の地質見学会

 地団研埼玉支部の新年例会に合わせての地質巡検に参加した。講師は東京支部の宮下敦氏で、地質学雑誌に論文掲載があったので依頼し巡検案内をお願いした。
 始めに小川町の木呂子の向い、金勝山の石英閃緑岩に相当する岩石を見学、続いて栃谷層(跡倉相当層)と秩父帯の間の狭い範囲に分布する特殊な地域を見学した。ここゾーンは御荷鉾緑色岩をマトリックスとし、角閃岩、輝緑岩、蛇紋岩、泥質岩をブロックとして含むゾーンで、変形をあまり受けていないことから、テクトニックメランジでなく、海溝での沈み込みに際し崩れ落ちたりしてできたものとの説明があった。またこの中の角閃岩は、ジルコンU-Pb年代からは480Ma、40Ar/39Ar年代からは430Maの年代が出ていて埼玉最古の岩石である。これらの岩石は石英閃緑岩などとともに西南日本内帯からスラストによって移動したと考えられるそうである。次に底痕のある栃谷層を見学した。
 また最後に車で移動し新しく見つかった吉見変成岩の露頭を見学した。金勝山石英閃緑岩の構造的な下位にあたる高温高圧型の変成岩で、砂質の片麻岩や角閃岩からなる露頭で、埼玉では自分自身は初めて片麻岩を見た。内帯から来た岩石だということになる。2時間ほどであったが中身の濃い見学であった。

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