2017年8月16日水曜日

オーストラリアと日本の物価と賃金

 オーストラリアに観光で行ってきたので気づいたことをまとめる。オーストラリアは物価が高い。25年前は物価が安く住みやすい国だったそうだが2000年のオリンピックから特に顕著で、ケアンズの普通の住宅でも1億を超えるとか。酒屋でビールを買っても500ml缶が500円、最低賃金が1000円強(日本の2倍近い)、トラック運転手の年収が1000万だそうで、金利が3%である。工業製品(車や電子機器)や知的価値の生産(windowsやアップルなど)が盛んでないオーストラリアがなぜこんな生活ができるか、結論は鉱物資源とその土地を利用した農産物生産なようだ。近代化されていて資源があり国民の人数が少ない豊かな国だということか。
 ひるがえって、狭い国土で、海外に売る鉱産資源のない、また農産物の大規模生産のできない日本は、その人口の多さもあって工業製品で稼ぐしかなく、賃金の安い同じ技術レベルの国が出てくると競争に負けてしまう。日本はここ20年ほど平均賃金が上がっていない(オーストラリアは右肩上がり)。日本が戦後から発展した理由は、その教育水準の高さとその人口の多さによる。レベルの高い工業製品を世界に供給し、また消費者である人口が多いのが力になり、世界2位の経済大国になった(現在は3位、ひとりあたりは先進国最下位)。少子高齢化で労働人口、耐久消費財の消費者の人口が減っている日本は、生産拠点を海外にして、価格を抑え、国内の生産にかかわる労賃を抑え、正社員を減らし臨時の雇用を増やしそれでやっと正社員の賃金、国民皆保険、年金システムを維持している。日本の今のシステムの維持はそろそろ限界なのではないか。

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