2013年3月12日火曜日

鉄の酸化物

-鉄の酸化物についてある方から質問があったのでまとめてみた-
 鉄の酸化物には2価と3価があります。化学式では酸化鉄(Ⅱ)FeOと酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3がそれに当たります。これは私たちの周りでは赤さび、黒さびとして観察されることが多い。
 空気中でつくられる赤さびは酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3が中心で下地の保護作用はなく、腐食はいつまでも進行します。一方黒さびは四酸化三鉄Fe3O4(酸化鉄(Ⅱ、Ⅲ))で高温、酸素不十分の条件で鉄表面に人工的に形成したものは緻密な皮膜となるため、防食法の一つとして使われます。
 鉱物としての酸化鉄には2価、3価、2価と3価の混合したものが知られています。2価のものもありますが珍しい鉱物です。3価のものは赤鉄鉱(ヘマタイト)が有名で、ありふれた鉱物で鉄鉱石として採掘されます。2価と3価の混合したものとして磁鉄鉱(マグネタイト)があります。火成岩中には普通に含まれる造岩鉱物であり、結晶は正八面体をして強い磁性を持ってます。鉄鉱物としては褐鉄鉱(リモナイト)も知られていますがこれは天然のさびで、水を吸着した酸化物です。
 また、鉄がイオンとなり水に溶けたものを見ることがあるかもしれませんが、鉄(Ⅱ)イオンは淡緑色、鉄(Ⅲ)イオンは黄褐色です。ただし他のイオンがあると色も結構変化します。

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