2016年8月3日水曜日

「戦後政治を終わらせる」

 「戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ」白井聡著(NHK出版新書)を読む。以下参考になった項目を上げる。
 戦後の政治を大胆に解説する本である。朝鮮戦争がはじまり、GHQ内の主導権争いがおこり、戦争責任者たちが復活する。敗戦を終戦といいかえさせたのはなぜか。
 55年体制とは、アメリカをバックにする自民党とソビエトをバックにする社会党、ゆるい傀儡。最前線の韓国、台湾と前線の日本との戦後政治形態の違い。安保条約の変化、最初の安保条約、60年安保条約、冷戦崩壊以降の安保。
 日本には2つの法体系がある。ひとつは憲法、もうひとつはアメリカと約束したこと、後者が前者に優先する。世界に類を見ない親米右翼が主流派になる不思議な日本。沖縄の基地の固定化にもっとも貢献したのは昭和天皇である。
 反知性主義と排外主義がはびころのはなぜが?対中脅威論とはなにか?冷戦崩壊後の新しい体制を模索した小沢一郎と鳩山由紀夫。そしてそれを引きずり下ろしたアメリカに支配されることから利益を得ている人たち。
 いままでに考えていたことが確認され、かつ新しく目を開かせられた部分が数多くあった。

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