2016年8月6日土曜日

デュープレックス構造

 埼玉県の理科研主催の剱崎・城ケ島の地質巡検に参加した。案内は蟹江康光氏である。
 いろいろ面白かったのだが、一番の成果はデュープレックス構造であった。デュープレックス構造とは、地層がその構造に近い複数の低角度の断層によって切られ繰り返して見える構造のことで。海溝での付加堆積物に特徴的な構造だと考えられているものである。城ケ島西部で調査をしていて、ピンクタフが何回も繰り返していることを認識していたが、それ以外の場所も含めて三崎層の基本構造であることが再認識できた。
 この地域では、これが一般に認識される前は、ただ単純に地層の厚さを足し合わせたため1万mを超えるような層厚が推定されていたが、実ははるかに薄いものであったことになる。
 またこのような特殊な構造は海溝での付加を考えないと説明できない。この上位に乗る初声層ではこの構造の現れ方が弱いことや三崎層を削ってできた堆積物であることから、これが付加堆積物の上位に堆積したものであると推定されている。

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