2020年5月10日日曜日

「気候文明史」

 知り合いから専門の参考になると勧められ、田家康著「気候文明史」を読む。
 現生人類の出現の頃から、特に最終氷期以降の詳細な気候変動とそれがいかに人類に影響を与えてきたかをまとめる。その情報量の多さと詳細さに驚く。
 最初にパナマ地峡の完成、インド洋と太平洋の分離それに伴う現在の海流の完成からはじまる。
 気候変動を太陽の日射量の変化(ミランコビッチサイクル)、火山噴火、海流の変化、大気循環の変化、モンスーンの変化などから総合的に解釈を与えている。
 人類史がその内部での要因だけでなく気候の変動によってつくられてきたか。具体的には、出アフリカ、各大陸への拡大、農耕・牧畜の成立、都市の成立、国家の繁栄と衰退、ローマの盛衰、温暖から寒冷に変化した中世、近世気温変動と社会などがまとめられている。
 また人類に大きく影響をあたえた寒冷化についても大気循環の関係などで低緯度と中緯度とではその変化が異なることなどが触れられている。
 最後に現代の温暖化の問題が語られている。
 大雑把には知っていることではあるが知識を大いに広げてくれた。

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