2020年5月11日月曜日

酸素の同位体比

 酸素の同位体比と存在量は以下のものである。
  16O(99.759%)、17O(0.037)、18O(0.204)
17Oは少ないのでここでは無視すると、海水(H2O)には重い水(18Oを含む)と軽い水(16O)があることになる。海水が蒸発するとき16Oが優先的に水蒸気になるので、積雪によって氷床に取り込まれ易いのは重い水よりも軽い水である。そのため、氷床が拡大する氷期の海水は相対的に重い水が多くなり、逆に氷床が縮小する間氷期の海水は軽い水が多くなります。海水中を漂う石灰質有孔虫は海水を使って石灰質の殻を作りますが、この殻には水温が低いほど、重い海水が多いほど多くの18O が取り込まれるので、酸素同位体比18O/16O は氷期に大きく間氷期に小さくなります。これを調べることにより過去の気温の変化を知ることができます。
 また水蒸気からは18Oが優先的に雨になるので、極地の温度が低いと水蒸気がそこにいくまでたくさん失われるので同位体比は小さくり、高いと水蒸気が雨として失われにくいので同位体比は大きくなる。このことから氷床のコアを使って過去の気温を調べることができる。

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