2020年5月12日火曜日

ミランコビッチ・サイクル

 地球物理学者ミルティン・ミランコビッチによって唱えられた太陽の日射量が気候の変動を説明するという学説。太陽の日射量は地球の公転軌道の離心率の変化、自転軸の傾きの変化、自転軸の歳差運動により変動すると考える。
 離心率の周期的変化は約10万年をかけて歪な楕円と円に近い楕円を繰り返す。氷期サイクルの周期は約10万年であり、離心率の変動周期と一致している。自転軸の傾きの周期的変化は約21.5度から24.5度の間の間を定期的に変化しており、その周期は4.1万年である。地球の自転軸の向きは、公転しながら周期的に変化しており、これを歳差と呼ぶが、この周期は1.8万から2.3万年(複数の周期がある)である。
 以上の周期をもとに太陽放射を計算して求めた曲線がミランコビッチ曲線であり、これと,深海底のボーリングコア中の化石有孔虫の酸素同位対比を用いた古水温の寒暖サイクルとほぼ一致する。

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